小池栄子

石垣島を舞台に、あのヒット商品“食べるラー油”の原点である石垣ラー油を作り上げた夫婦の姿を描いた『ペンギン夫婦の作りかた』。主演の小池栄子が撮影をふり返ると共に本作に込めた思いを語った。

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これまで心の傷や屈折した内面を持つ役柄を演じることが多かった小池だが、今回は常にポジティブで行動力のある明るい主人公・歩美を演じた。出演作を選ぶ上での基準は「何より『この役は他の人に渡したくない』という魅力があるか。それからその人物に愛すべきポイントがあるかどうか」。今回の歩美について「生き方がすごく素敵で、私にはないものを持っている女性。この役をやったら自分も変われるんじゃないか? という思いもありました」と明かす。

次々と話題作に出演し続けている小池が「変わりたい」という願望を抱いていたこと自体、意外な気もするが「自分の中で『このままでいいのかな?』と考えていた時期でもあった」と明かし、作品を通しての自らの“変化”を肯定的に受け止めているという。「2008年の『接吻』で初めて、作品を通じて自分が変わったということを感じました。監督に感情を引き出されることで初めて知る自分があるんです。それ以降、クランクインの前と後で自分にどんな変化が訪れるのかが楽しみになりました。作品ごとに監督と初めて顔を合わすたびに『私の知らない自分をどうにか引き当ててください!』ってお願いしてますからね」と笑顔で語る。

特に今回、夫婦役を演じたことで自らの結婚生活を顧みるところもあったよう。「出会った時の気持ちを思い出しました。『うれしいってだけで十分うれしい』というセリフが印象的でしたが、本当にその通りだな、と(笑)」と照れくさそうに本音をのぞかせた。

もちろん、女優として得たものの大きさも計り知れない。「(夫役の)チュアンイーさんからは『アジアに出て勝負してみなよ』と言ってもらいました。今はチャンスがあればオーディションも受けてみたいなと思っています」と力強く語っていた。

『ペンギン夫婦の作りかた』

スタイリスト:えなみ眞理子
ヘアメイク:山口公一(スラング)
トップス・ショートパンツ・シューズ全て:マイケル・コース/MICHAEL KORS