マウリツィオ・ポリーニ (c)Cosimo Filippini

今年70歳を迎えた当代最高峰のピアニスト、マウリツィオ・ポリーニが、世界各地で展開中のグローバル・プロジェクト「ポリーニ・パースペクティヴ2012」を10月23日(火)から東京で開催する。

「マウリツィオ・ポリーニ -ポリーニ・パースペクティヴ2012-」の公演情報

1960年に18歳でショパン国際ピアノ・コンクールで優勝を果たし、一躍名声を得たマウリツィオ・ポリーニ。審査委員長だったアルトゥール・ルービンシュタインが「今ここにいる審査員の中で、彼より巧く弾けるものがいるだろうか」と賞賛したエピソードは有名だ。驚くほど高度な演奏テクニックを誇り、ポリーニ登場後はピアノ演奏の水準が変わったと評されるほど、今日の音楽シーンへの影響は計り知れない。

昨年のルツェルン音楽祭を皮切りに世界各地で展開している「ポリーニ・パースペクティヴ」は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタと、4人の現代作曲家たち――マンゾーニ、シュトックハウゼン、ラッヘンマン、シャリーノの作品をセレクトし、学術的・芸術的観点から音楽の将来を見据える壮大な企画だ。出演は、ポリーニのほか、クラングフォーラム・ウィーン、シュトゥットガルト・ニュー・ヴォーカル・ソロイスツなど、ポリーニ自身が選んだ現代音楽に精通したアーティストたち。

「ピアノ作品の原点と考えるベートーヴェンと現代作品には、時間的な隔たりはあるものの、音楽や作法には繋がるものが必ずある」と語るポリーニ。ピアノ・ソナタで音楽史に“革命”を起こしたベートーヴェンと、常に“新しい音楽表現”を探求し続ける現代作曲家たち。その個々の作品ではなく、音楽に対するアプローチの中に共通項を見出すことで、時代を超えた音楽的な展望(パースペクティヴ)を提示することが狙いだ。これまでもバッハ、ベートーヴェン、ショパンといった大作曲家たちと併せて、現代作曲家も積極的に紹介してきた巨匠の集大成ともいえるだろう。

マウリツィオ・ポリーニのプロジェクト「ポリーニ・パースペクティヴ2012」は、10月23日(火)から11月13日(火)まで全6公演を開催。チケットは発売中。

■マウリツィオ・ポリーニ -ポリーニ・パースペクティヴ2012-

[室内楽公演]
 10/24(水)19:00開演 サントリーホール ブルーローズ
 11/14(水)19:00開演 サントリーホール ブルーローズ
※室内楽公演へのマウリツィオ・ポリーニの出演予定は無し。