■漫画のような尾行者はいない――尾行の手口と対処

【尾行とは】
ターゲットを徒歩やクルマで追跡し、その行動ルート、移動先を調べる手法です。まず張り込みでターゲットの出現を待ってから尾行に移行するパターンが多いです。

【主な手口、見分け方】
・自宅や職場を出るとき、一定の場所に人やクルマが待ち構えている
・自宅や職場を出た後、一定の距離で人やクルマがついてくる
・マイカーの後部底面(排気口やマフラーの近くが多い)に見慣れない機械が貼り付けてある
・その他、追尾してくるクルマが不審かどうかの判断基準は前項「張り込み」に準じる

【防御、対策法】
尾行も張り込みと同様、いかにして違和感に気付くかが最初のポイントです。本物のプロは漫画やドラマにあるような「黒サングラスをかけて電柱の陰から陰へ移動」なんてマヌケな尾行をしないので先入観にまどわされないでください。普通に携帯なんかをいじってるフリしながら、あなたのことなど眼中にないかのように追いかけてきます。人通りの少ない道ではやや離れて、見失いやすい人混みの中では距離を縮めてきます。尾行中は相手の足下を見ているため、いきなりあなたが振り向いても目があったりしません。ベテラン探偵であれば、よほど注意しないと気付くのは難しいでしょう。

逆に経験の少ない探偵やストーカー、あなたの奥さんが「ちょっとダンナを尾行してきてよ」と頼んだ友達などであれば、ボロを出しやすいので気付くのはわりと容易です。

尾行者が誰であっても「左折法」が見分け方として有効です。これは徒歩でもクルマでも、左(右でも構わない)に3回連続で曲がる‥‥というもの。同じ方向に3回曲がったらスタート地点に戻りますよね。こんな意味のない移動をして、それでもあなたを追ってくる人間がいれば、それは尾行者だと断定できます。同じ考え方で、移動スピードをランダムに変えてみて相手が追ってくるかどうかを見るのも有効。要は不自然な動きをすることで尾行者をあぶり出すわけです。

尾行者がその場でわかったとして、問い詰めるかどうかはケースバイケース。追いかけてきたのが恋人や奥さん、その友達といった知り合いならば「俺は浮気なんてしてないから」と話しあって誤解を解くのも良いでしょう。逆にまったく面識のない相手の場合、ちょっと判断に困ります。