波及するスマートフォン効果 無線LANが2ケタ成長を維持

2011.11.21 10:40配信
無線LANの販売台数前年比

スマートフォン人気が後押しするかたちで、無線LANの販売が好調だ。これまでPCのインターネット接続を無線化する機器として利用されてきたが、スマートフォンやタブレット、テレビ、ゲーム機、レコーダー、プリンタなどにも無線LAN対応機器が広がってきたことで、新たな需要を喚起している。

●デバイス連携の提案で新たなユーザー獲得

BCNランキングでは、無線LAN(Wi-Fi)が昨年10月は前年比131.6%、今年10月は117.3%と、2ケタ成長を維持している。メーカー別販売台数シェアでは、バッファローが50%前後で圧倒的なポジションを確立。持ち株会社メルコホールディングスの松尾民男・取締役管理本部長は、「今後さらにスマートフォン市場が拡大していくことで、Wi-Fiのニーズは高まるとみている。無線LANの販売は、これからも期待できる」と断言する。シェア15%前後の二番手グループに位置するプラネックスコミュニケーションズの担当者も、「既存ユーザーの買い替えに加え、スマートフォンユーザーの拡大が追い風になっている。今後は、テレビのネット接続が本格化していくことも追い風になる」と、ネット対応デバイスの広がりに期待を示している。

当然、家電量販店も無線LANの販売に積極的に取り組んでいる。ビックカメラ有楽町店では、4階のPC周辺機器コーナーで、スマートフォンやテレビ、プリンタなどの無線LAN対応機器を家庭で快適に利用するシーンをパネルで提案しているほか、5階のPC売り場でもパネルや無線LAN製品を展示するなど、訴求に力を入れている。また、「配線ナシで家中スッキリ!」「スマホの写真を転送する!」「プリンタを別室のPCから出力!」「ゲーム機でかんたんインターネット!」など、インターネットの活用方法を紹介する28種類のリーフレットを用意し、PCやデジタル機器の操作に慣れていない人にもわかりやすい内容で利用シーンを提案している。

5階Windowsコーナー責任者の平澤紀子氏は、「無線LANには難しいイメージがあって、自分には関係ないと思っているお客様も多いが、利用シーンを提案すると無線LANのメリットを理解してくれる」という。PCだけなら有線環境のままで十分だと思っていたユーザーが、PCの買い替えを機に、他の無線LAN対応デバイスをつなぐことを考慮して無線LANの購入を決めるケースが増えてきているようだ。また、「昨年は1万円強だった無線LANの価格が、今年は1万円を切っていることや、以前と違って設定方法や取扱説明書がわかりやすくなっている」(平澤氏)ことも追い風。機器の設定が簡便になり、さらには価格が下がってきていることも普及に寄与している。

●タブレットの普及に期待 機器を組み合わせての提案も

活況のスマートフォンだけでなく、今後の期待される製品として、タブレット端末が挙げられる。キャリアから発売している3GやLTE対応モデルは別として、通信機能はWi-Fiのみというモデルもあって、家庭内では無線LANルータが必須アイテムとなる。ビックカメラの平澤氏は、「今後は、タブレットと無線LANのセット提案を強化していく」とさらにターゲットを拡大させる。平澤氏によると「例えば、東芝のレグザタブレットの場合、アプリを使って、テレビのない部屋でタブレットでテレビを見る機能に関する問い合わせが多い」など、すでに手応えを感じているという。

ピーシーデポコーポレーション(PCデポ)では、専用パネルや什器を用いて、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」、タブレット端末「SONY Tablet」、PC「VAIO」とDLNA対応のネットワークストレージを組み合わせた提案に乗り出した。大型店舗から順次展開をスタート。各種デバイスをつなげる提案を強化している。

「以前はユーザーの100%はPCユーザーだったが、今ではPC以外のマーケットが形成されている」(メルコホールディングスの松尾取締役管理本部長)という無線LAN。これからも好調に推移しそうだ。(田沢理恵)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2011年11月21日付 vol.1408より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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