(左から)本田望結、NPO法人「日本心理療法士協会」理事長の中居成子氏

映画『あらしのよるに ひみつのともだち/シアターセレクション〜出会い編〜』のトークショー付き試写会が26日に横浜のワーナー・マイカル・シネマズみなとみらいで行われ、NPO法人「日本心理療法士協会」理事長の中居成子氏と人気子役の本田望結が登壇した。

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本作は、今年の4月から9月にかけてテレビアニメーションとして放映された『あらしのよるに…』を再編集した劇場版第1弾。優しくて狩りの苦手なオオカミのガブと、好奇心旺盛な子ヤギのメイが出会い、“喰うもの”と“喰われるもの”の立場を超え、友情を育んでゆく姿を描く。

上映後のトークショーに登壇した本田は作品について「出会いっていうのはすごく幸せ。望結も初めて東京に来たときは不安だったけど、たくさんの友達が出来て、今では宝物!」と笑顔を見せ、「メイ役をやりたい! ガブに食べられるかもしれないのに、それでも一緒にいたいと思うメイちゃんのほうが、ガブのことを想う気持ちが大きいと思う。ガブのことが大好きっていう気持ちを一生懸命表現したい!」と目を輝かせた。

また、トークショーでは中居氏が、劇中に登場するオオカミとヤギを、男女や人種、個性、文化として捉え、同質性を重んじる日本文化が我々にもたらす問題や、『ハリーポッター』や『指輪物語』などの児童文学に多い“ひみつ”が与える影響力、劇中のセリフに隠された人間の欲求などについて解説。中居氏は「子どもたちは、生活の中で葛藤している気持ちを、映画を通して疑似体験していく。この作品は異質性を受け入れる土台づくりが出来る作品。異質性を認められたとき、いじめ問題も少なくなるのではないか」と語った。

本作は児童文学を基にした作品だが、すべての世代に共通する問題も描いており、公開後は幅広い層の観客から共感を集めることが予想される。

『あらしのよるに ひみつのともだち/シアターセレクション〜出会い編〜』

取材・文・写真:塚野清香