ミラーレス一眼カメラ「NEX-5R」(左)と「NEX-6」

ソニーは、10月30日、レンズ交換式一眼カメラ“α”シリーズの新製品として「NEX-5R」と「NEX-6」を11月16日に発売すると発表した。“α”シリーズとして、初めてWi-Fi機能を搭載する。

発表会の冒頭、ソニーマーケティングの磯村英男デジタルイメージングマーケティング部統括部長は、「世界的にみて、デジタル一眼や高級コンパクトデジタルカメラの市場が伸びている。国内ではミラーレス一眼が前年比138%で伸長しており、レンズ交換式デジタルカメラ市場のなかで5割に届こうとしている」と市場を分析し、ミラーレス一眼の新製品を紹介した。

「NEX-5R」と「NEX-6」は、Wi-Fi機能に加えて、ネットワーク経由で、アプリをダウンロードし、カメラ機能を拡張できる。ソニーが提供するネットワークサービスプラットフォーム「Sony Entertainment Network」内の「PlayMemories Camera Apps」から、機能を追加するアプリをダウンロードする。「PlayMemories Camera Apps」では、写真のレタッチ機能やスマートフォンからのリモコン操作など、さまざまな機能を追加できるアプリを提供している。

例えば「フォトレタッチ」は、撮影後にフレームや明るさ、水平補正、肌色補正ができるアプリ。「ピクチャーエフェクト+」を加えると、水彩画調、イラスト調、ソフトハイキー、ミニチュア、トイカメラ、パートカラーの6種類のフィルター効果撮影ができる。

アプリをダウンロードするには、「Sony Entertainment Network」のアカウントが必要。カメラのWi-Fi機能を使えば直接アプリをダウンロードできるが、最初はPCでアカウントを作成し、管理用アプリ「PlayMemories Camera Apps」をダウンロードしておかないと利用できない。また、アプリには、無料のものと有料のものがある。

「NEX-5R」は、上に180°、下方向に50°動かすことができるチルト可動式の液晶モニタを備え、自分撮りや高い位置からの撮影に重宝する。撮像素子はAPS-Cサイズで、有効画素数は1610万画素。感度はISO25600まで対応。位相差検出で距離を測定し、コントラスト検出でピントを調整するハイブリッド式のAF機構「ファストハイブリッドAF」を採用する。連写性能は毎秒10コマ。

「NEX-6」も、有効画素数1610万画素のAPS-Cセンサを搭載。ISO25600までの高感度撮影に対応し、「ファストハイブリッドAF」を備える。EVF(電子ビューファインダー)を搭載し、上位モデル「NEX-7」と同様の236万画素の有機ELを採用。撮影の設定はタッチパネルでもできるが、モードダイヤルでもデジタル一眼らしい手になじむ直感的な操作ができる。

2機種とも、交換レンズが付属するパワーズームレンズキットには、新開発の「E PZ 16~50mm F3.5~5.6 OSS 『SELP1650』 」が付属。35mmフィルム換算で24~75mmの焦点距離をカバーしながら、鏡胴は従来のEマウントの標準ズームレンズ「SEL1855」(全長60mm)の半分以下に薄型化。「ファストハイブリッドAF」にも対応する。

また、このほか「ファストハイブリッドAF」に対応する2本のレンズを発表。「E 35mm F1.8 OSS 『SEL35F18』」は、F1.8と明るい35mm(35mmフィルム換算)の単焦点レンズ。「E 10-18mm F4 OSS 『SEL1018』」は、焦点距離10~18mm(35mmフィルム換算)のEマウント初の超広角ズームレンズだ。

価格はすべてオープン。実勢価格は、「NEX-5R」のボディ単体が8万円前後、パワーズームレンズキットが9万5000円前後、パワーズームレンズキットに「E 55-210mm F4-6.3 OSS」が加わるダブルズームレンズキットが12万円前後。「NEX-6」は、本体のみが9万5000円前後、パワーズームレンズキットが11万円前後、同様のダブルズームレンズキットが13万5000円前後。

「SEL1018」は11月16日の発売で、価格は9万9750円。「SEL35F18」は12月発売予定で、5万5650円。「SELP1650」はレンズ単体での販売はブラックのみ。発売予定は2013年1月で、4万2000円。