が~まるちょば、GABEZ、to R mansion 撮影:吉田タカユキ(SOLTEC) が~まるちょば、GABEZ、to R mansion 撮影:吉田タカユキ(SOLTEC)

世界的な活躍を続けるサイレントコメディー・デュオ「が~まるちょば(ケッチ!、HIRO-PON)」。彼らが新たな可能性を追求し立ち上げたのが、言葉を一切使わない役者集団「が~まるちょばプロジェクト」だ。そこで来年3月に行われる第3回公演を前に、彼らふたりと、プロジェクトメンバーの「GABEZ(MASA、hitoshi)」、「to R mansion(上ノ空はなび、野崎夏世、丸本祐二郎、伊藤大輔)」に話を訊いた。

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サイレントコメディーでは、セリフを発している役者を目で追うという、当たり前のことが通用しない。「特に大勢でやる場合、よりフォーカスを絞らないといけないので難しさが全然違います。でもセリフを使わないことこそ、パントマイムのおもしろさ。それをどう作品に繋げるのかを意識しました」とHIRO-PON。そしてケッチ!は、「確かに戸惑いの声もありました。でもそれだけお客さんが僕らの作品を貪欲に見たいと思ってくれているのは、嬉しい誤算でもありました」と過去2回の公演を振り返る。

若手2組からは、彼らと同じ舞台に立ったことで、「作品に対する姿勢など、多くのことが勉強になりました」(hitoshi)、「すべてが新鮮な体験で、自分たちの作品づくりにも生きています」(伊藤)といった声が。そんな若手に対してもHIRO-PONは、「ライバル」と言い切り、「パントマイム界って制約が多い分、すごくシビアな世界。でもパントマイムの力を信じることができれば、その制約は逆に武器にもなるはずなんですよね」と話す。

来年1月にはGABEZ、to R mansionの同期間、同劇場での交互上演も決定した。GABEZは「パントマイムってものがまだ全部はわかっていない分、まずは僕らがおもしろいと思うものをお見せしたい」と意欲をみせ、to R mansionは「自分たちにとっては初のサイレントコメディー。to R mansionの世界観がはっきり出せるものになれば」と語る。これらすべての公演に言えるのが、HIRO-PONの語る「劇場に来ないと僕らのおもしろさは分からない」ということ。彼らが舞台の外で発したこれらの言葉を鍵に、言葉のない世界の扉を開けてみて欲しい。

GABEZ『GET A LIFE』とto R mansion『土壇場! Do Done Bar』の交互上演は2013年1月10日(木)から14日(月・祝)まで東京・赤坂RED/THEATERにて開催される。チケットは10月13日(土)より一般発売開始。また、が~まるちょばプロジェクト第3回公演『a Go Go Ⅲ』は2013年3月20日(水・祝)から24日(日)まで東京・紀伊國屋ホールで開催される。チケットは12月15日(土)より一般発売開始。

取材・文:野上瑠美子