ソニー ビル・ウィリアムズ    撮影:スエイシナオヨシ ソニー ビル・ウィリアムズ 撮影:スエイシナオヨシ

ジャパンラグビー トップリーグは現在、中断期間を迎えている。前半戦は10月27日に終了し、現在は12月1日(土)のリーグ再開へ向けて、各チームとも強化を進めている。ウインドウマンス前、世界一のセンターと呼ばれる男に会ってきた。SBWことソニー ビル・ウィリアムズ。193cm、108kgの鋼の肉体を誇り、芸術的なオフロードパスを放つ12番は、まさしく全盛期を迎えようとしている中、トップリーグのパナソニック ワイルドナイツでプレーする。意外にもSBWは5勝3敗の5位という前半戦を前向きに振り返った。

ジャパンラグビー トップリーグ後半戦スケジュール

「パナソニックはアタックが非常にいいチームなので、どのチームが相手でもスコアできる。ただ、エリアを取るためにキックすべき局面や、ボールを持ったまま継続すべき局面で、間違った選択をしてしまうことがたまにあった。チームの課題は、正しい時に正しいプレーを正しく行うこと。あと、ディフェンスも向上させていかないといけない。そうすれば、勝てます」

もちろん、トップリーグをナメているわけではない。「チームとして、もっともっと一生懸命に走り回る情熱、意識を高めていかなければならない」と注文することも忘れなかった。

SBWは己にも厳しい。「私の描く理想の12番に到達することは一生ないと思います。なぜなら、80分間にわたり完全に試合を支配できるセンターが理想だからです。ただ、その理想とするセンターに少しでも近づくために、日々努力しています」

世界一のセンターは謙虚でもある。代名詞であるオフロードパスの極意について問われれば、「オフロードが機能するには、チームメイトのサポートがなくてはならない。幸いパナソニックには私がオフロードを出そうとしている気配を感じてくれる選手がたくさんいます。多くのサポートを受けていることをうれしく思う」と感謝の念を述べる。

SBWはチャレンジし続ける。13人制のラグビーリーグで育ったSBWは5年前に15人制のラグビーユニオンへ転向。昨年はNZ代表オールブラックスの一員としてW杯優勝に輝いた。南半球最高峰のスーパーラグビーでも頂点に立ち、今回の日本行きを決め、トップリーグの今季終了後にはラグビーリーグへ舞い戻る。一方ボクシングNZヘビー級チャンピオンの顔も持つ。まさにスポーツ界の常識を覆す活躍だが、当の本人にその自覚はない。

「先のことを見てしまうといろんなことがあり、とても困難に見えてしまう。私は今に集中しています。今できること、今やらせてもらっていること、今すべきことに集中して、日々を過ごしている。私にとって、13人制も15人制もボクシングもチャレンジです。今を過ごしながら、前に進んでいくことを楽しんでいます」

そして、SBWは「今はパナソニックのラグビーに集中しています」と続けた。トップリーグ再開後には、一層切れ味を増したオフロードパスが炸裂することだろう。

トップリーグ後半戦のチケットは11月3日(土)より発売開始。なお、@ぴあインタビューでインタビュー完全版を現在公開中。

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