【ナビスコ杯連載Vol.10】鹿島2年連続5度目のVに見た、勝者のメンタリティ

2012.11.6 16:36配信
柴崎岳(鹿島アントラーズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 柴崎岳(鹿島アントラーズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

11月3日、国立競技場で聖杯を頭上に掲げたのは鹿島だった。2年連続5度目のナビスコカップ制覇に、鹿島に脈打つ勝者のメンタリティを見た。

ゴトビ監督が「45分のうち最後の5分以外、我々がコントロールしていた」と語った通り、前半は清水がペースをつかんだ。高木俊幸の右ボレーがGK・曽ヶ端準の好セーブに阻まれたのをはじめ、クロスやラストパスがわずかにズレるなど、清水の攻撃からは得点の匂いが漂った。一方、鹿島は初シュートまで43分間を費やしたのだった。

しかし、リーグ戦7度、ナビスコ杯4度、天皇杯4度のタイトル経験を誇る鹿島に焦りの色はない。若い清水を相手に攻撃勝負を挑んでは分が悪い。鹿島は1点勝負に持ち込もうとした。最終ラインを束ねる岩政大樹が試合後、「0-0の時間を長くするという自分たちの狙い通りのサッカーができた」と明かした。ワントップで延長戦までシュートを放つこともできなかった大迫勇也も、「システム上、前半は孤立すると最初から思っていた。今日は割り切って、勝つサッカーをした」と胸を張った。ジョルジーニョ監督も「若さがあり、勢いとスピードのある清水に対し、情報を整理して、相手の長所を消す作業をしてくれた」と任務を遂行した選手たちを称えた。

試合は後半28分のPKをハタチの柴崎岳が決め鹿島が先制するも、5分後に大前元紀にPKを決め返される。そのまま90分間では決着はつかず。追いつかれる嫌な流れの上、鹿島は交代枠を使い切り、清水は交代枠を1枚残しての延長戦突入だったが、残り30分になって清水と鹿島の形勢が逆転する。

前半後半ともに、シュート数は清水が上回った。だが、延長戦では清水のシュート3本に対し、鹿島は6本のシュートを放つ。延長戦に入ってからは清水のDFたちが鹿島の攻撃陣を捕まえきれなくなった。

決勝点は延長3分に生まれた。MF・増田誓志が大きくサイドチェンジし、右SB・西大伍へ。西のラストパスを柴崎が大きくトラップ、相手DFを置き去りにして右足一閃! この日2点目となる決勝弾を決めた。大舞台で大仕事をやってのけた背番号20は、「2得点はできすぎ。まさかのMVPでした」と喜びを噛み締めた。柴崎をPKキッカーに指名したジョルジーニョは「なかなかあれだけの選手とは出会えない。20歳ながらベテランのような落ち着きがある。おそらくヨーロッパで活躍する選手になる。日本代表でも不可欠な選手になるだろう」と、その才能を賞賛した。

黄金期を知る小笠原満男は「鹿島の選手たちは試合時間や局面でやっていいことと、やってはいけないこと、その両方を理解している」と振り返った。また試合前は「天国(優勝)も地獄(準優勝)も知っている強みがある」とも語っていた。

小笠原の言葉が、鹿島の勝者のメンタリティを象徴していた。

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