映画『シルク3D』が描くのは“人間賛歌”。監督が語る

2012.11.7 15:17配信
映画『シルク・ドゥ・ソレイユ3D』を手がけたアンドリュー・アダムソン監督

世界最高峰のパフォーマンス集団の世界を3D映画化した『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』が9日(金)から世界最速で公開される前に、本作を手がけたアンドリュー・アダムソン監督がインタビューに応じた。

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本作は、『サルティンバンコ』や『ZED』などの作品で知られるパフォーマンス集団シルク・ドゥ・ソレイユの世界を最新の3D映像で捉えた作品。ドキュメンタリーではなく、シルクの幻想的な世界を舞台に、サーカスに迷いこんだ少女と、空中ブランコ乗りの青年の恋の物語を描くもので、『アバター』のジェームズ・キャメロンがプロデューサーを務めている。

アダムソン監督は『シュレック』や『ナルニア国物語』で世界的な成功をおさめたフィルム・メイカーで、本作のオファーは『ナルニア…』の製作会社の元CEOで、本作の製作総指揮を務めたケイリー・グラナットから持ち込まれたという。「実は最初は『あまりいいアイデアじゃないな』と思ったんだ。映画が扱ったラスベガスの7つのショーはそれぞれがあまりにも違う内容だからね。でも自分がシルクのショーを観た時のことを振り返ってみると『まるで夢みたいだ』と思った。そこで、映画もそのようにすればいいんじゃないかと思ったんだ。黒澤明監督の『夢』や『不思議の国のアリス』のことも思い出したよ。だから大事なのは“何でもアリ”の世界に観客を惹きつけるストーリーを見つけることだった」。

そのために監督は、シルクの世界観を損なわないためにセリフを用いず、事前に脚本を用意せずに撮影と編集作業を行き来しながらストーリーを紡いでいったという。「シルクの創造性をこれ以上拡大することはできないんだ。彼らはアーティストの集団で、その創造性をいかんなく発揮できる環境をすでに作り上げている。いろんな才能のある人たちが協力して創造性を発揮しているんだ。僕たちが映画を作り上げる過程にとても似ていると思ったよ。だから、基本的な物語だけを用意して、緩急をつけながら語ることに注意した」。

アダムソン監督はシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスを「人間の限界を見せてくれるもの」だと評する。「彼らは単にパフォーマンスをするだけではなくて、衣装や美術、音楽などのすべてが創造性をもって表現されていて、そのいずれもが極限まで高められている。そういうものを観ると“人間賛歌”ではないけれど、人間というのは何だって出来るんだ、という気持ちになるんだよ」。

圧倒的な身体能力と芸術性がいかんなく発揮された世界を、ラブストーリーを軸に描き出した映画『シルク・ドゥ・ソレイユ3D』。そこには、驚きや楽しみだけでなく、観る者の胸をうつ大きなメッセージも隠されているようだ。

『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』
11月9日(金)より、TOHOシネマズ有楽座他、全国ロードショー

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