公式プレミア上映会に出席した(写真左から)伊藤英明、水野絵梨奈、三池崇史監督

貴志祐介氏のベストセラー小説を三池崇史監督が映画化した『悪の教典』が9日、イタリアで開催中の第7回ローマ国際映画祭コンペティション部門のオープニングを飾り、主演の伊藤英明、水野絵梨奈、三池監督がオープニングセレモニー及び公式プレミア上映に出席した。

その他の写真

本作は、生徒から絶大な人気を誇るカリスマ教師という表の顔を持ちながら、反社会性人格障害として恐るべき計画を実行していく教師・蓮実(伊藤)の想像を絶する行動を描いたサイコ・サスペンス。

本映画祭に参加した3人は全長55メートルのレッドカーペットに登場。上映会ではおよそ1000人もの観客が集まり、終了後は4分半にも及ぶスタンディングオベーションが巻き起こるという大盛況ぶりを見せた。伊藤は、「サイコキラーを演じることは本当に難しかったですが、監督に助けてもらいながら“蓮実”というキャラクターを作る作業は楽しくもありました。とにかく映画祭は楽しかったです。言葉も文化も違う国の映画なのに、みんなが楽しんでくれて自分もうれしいです」と笑顔であいさつ。生徒役を演じた水野は、「ローマに来ることが出来てうれしいです。エンタテインメントとして“蓮実”というキャラクターに騙される部分は、ローマのみなさんにも共感してもらえるのではないかと思っていました。本当にこの作品に関わることが出来て光栄だと思います」と、出演のよろこびを語った。

また、『十三人の刺客』や『一命』など、海外の映画祭への出品があいつぐ三池監督は本映画祭は初参加とのことで、「(技術の進歩によって)この1〜2年、自分がやっていて本当に楽しいと思えることが出来るようになり、映画の世界に生きている歓びを感じられるようになりました。『悪の教典』をご覧になったみなさんから、本当に心のこもった拍手を頂くことが出来たので、ローマに来てよかったなと思います」と感謝を伝えた。

なお、本映画祭の授賞式は17日(日本時間18日)に行われる。過去には、宮崎吾朗監督の『コクリコ坂から』や米林宏昌監督の『借りぐらしのアリエッティ』なども招待されたが、いずれも受賞経歴はなく、いかなる賞でも受賞すれば本作が日本初となる。ちなみに国内では、10日より全国309スクリーンで公開され、20〜30代の男女を中心にR-15ギリギリの高校生、60代の客層を動員。幅広い客層から注目されていることから、今後の動員に期待がかかっている。

『悪の教典』
公開中