家電事業の設備投資について語るアイリスオーヤマの石垣達也 家電事業部統括事業部長

アイリスオーヤマは9月21日、現在稼働している中国の大連工場のほか、新たに広州工場の新設と蘇州工場の増設計画を発表。2018年10月に中国の3拠点体制を完成させて、17年12月期に単体売上高の約半分に迫る家電事業をさらに強化する。

「中国の広州工場は今年10月に稼働、18年10月には蘇州工場の増設が完成し、大連と合わせた3拠点体制として、家電の生産拡大に対応していく」と、石垣達也 家電事業部統括事業部長は語った。

設備投資の総額は非公表だが、家電とLED照明の中核製造拠点となる広州工場には約40億円を投資したという。蘇州工場はすでに家電製品の生産拠点として稼働しているが、手狭になってきたため「第2期」の投資としてラインを増設する。

このほか国内でも、18年1月に茨城県稲敷郡でLED生産と首都圏向けの物流拠点となるつくば工場と、18年7月に佐賀県でLED生産と物流拠点となる鳥栖第二工場の増設を計画する。

アイリスオーヤマは09年にLED電球で家電事業、15年にはIHジャー炊飯器事業にそれぞれ参入。17年4月にはルームエアコンを発表して、大型白物家電事業にも参入を果たした。

17年12月期のグループ全体の売上高は4300億円を計画しており、国内のアイリスオーヤマ単体では1550億円を掲げる。国内のうち、47%の730億円がLEDを含む家電事業となっており、9月末の第3四半期が終わる時点で、「730億円をほぼ達成できる見込みで推移している」(石垣統括事業部長)と、家電事業が予定通りに拡大していることをアピールした。カテゴリ別では、同日、新製品を発表したIHジャー炊飯器が、LEDに次ぐ中核事業になっている。(BCN・細田 立圭志)