静音性にすぐれた「エルゴスリー」

そろそろ年末。年末といえば、思わず憂うつになってしまう大掃除という家庭の一大イベントが待っている。少しでも楽に終えて、きれいな家で新年を迎えたいもの。今回は、パワーだけではなく静音性にすぐれたエレクトロラックスの掃除機「エルゴスリー」の使い心地を紹介しましょう。

●赤ちゃんが起きない期待通りの「静かさ・清潔さ」

「エルゴスリー」には、「赤ちゃんが起きないほど静かな掃除機」という評判があります。現在、1歳半の幼児がいる我が家は、これにとても心ひかれました。すごい勢いで部屋を汚す幼児と、部屋を掃除する親とのエンドレスの綱引きで、以前は考えられなかったほど、ひんぱんに掃除機をかけるようになりました。パンを投げる、米粒を米びつから取り出してまきちらすなど、放置できない状況に、いますぐ掃除機をかけたいけれど、寝たばかりの子どもは起こしたくない……。そんなシーンで本当に使えるなら、価値があると思ったのです。

そんな環境のなかで、今回「エルゴスリー」をタイミングよくレビューできることになりました。期待通りの「静かさ・清潔さ」と、想像以上に「パワフル」だった使い心地をご紹介します。

使ってみて、一番印象的だったのは、その「音」です。「ブォォン」と大きい音で吸引を始める一般的な掃除機と違い、とても静かに、スムーズに吸引を始めます。さらに音程も低めで、キンキンと耳につくあの掃除機の高音ではありません。もちろんパワフルな「パワー3」や回転ブラシを使えばそれなりに大きめの音がしますが、通常モードの「パワー1」でスタートさせたときの驚きは、電気自動車のスタートの静かさを初めて体験したときに似ていました。

スペック上の運転音は、パワー1でブラシをオフにした状態で43デシべル。国内メーカーの静音性にこだわったモデルよりさらに静かです。実際に、子どものそばで使ってみました。何度かやってみましたが、確かに子どもは起きません。

この静かさは、子どもがいない家でも、活躍するシーンはいくらでもありそうです。例えば、別の部屋で家族が寝ていても起こすことがありませんし、仕事で帰りが遅くなってしまった夜中でも、階下やお隣のお宅に迷惑をかけずに掃除ができます。「エルゴスリー」は静かな「パワー1」でも十分な吸引力があるので、ふだんの掃除機がけなら十分でしょう。

●憧れの空間に似合う静かでパワフルな掃除機

北欧風の部屋に憧れ、北欧風のインテリアを揃える人が増えています。かくいう我が家もそうですが、一つ難点があって、一緒に置く家電製品のデザインが浮いてしまうのです。でもこれ、家電も北欧のものにしてしまえば解決します。

実は、北欧はインテリアだけではなく、すっきりしたデザインのいい家電が多いのが特徴です。特に長い冬を長時間自宅で過ごす北欧には、空気清浄機や掃除機、キッチン家電など、室内での暮らしを快適にする家電に逸品が多くあります。

「エルゴスリー」もそんな北欧家電の一つ。実はエレクトロラックス、スウェーデンに本社がある世界最大級の家電メーカーです。エレクトロラックスは、スティック型のカラフルな掃除機「エルゴラピード」をインテリア雑貨ショップを中心に販売し始め、現在では多くの家電量販店で販売している大ヒット商品です。

北欧家電の掃除機は、「空気を汚さない」機能が充実しています。これは北欧の建物のつくりが影響しています。寒い外気から断熱するため建物の気密性が高く、空気の循環が少ないので、空気が汚れることを嫌うのです。しかし、最近は日本にも気密性の高い建物が多くなり、高層マンションなどでは高い気密性、24時間空調、それによる湿度の低さなど、住環境自体が北欧に近づいているので、北欧家電は日本でも快適に使えるはずです。

「エルゴスリー」シリーズの最上位機種の「エルゴスリー オート」は、北欧家電をベースに日本向けに開発・デザインされた製品です。パワフルな吸引力と、ゴミ捨てまでの清潔さ、静音性などの使い心地のよさが特徴のプレミアム掃除機です。

本体のカラーは、鮮やかな「ソーラーオレンジ」と「クリアブルー」の2色。本体のパネルに描かれた流線型は、スウェーデンのデザイナーが友禅など日本の伝統的なデザインにインスピレーションを受け、空気の流れをイメージしたとか。普通、掃除機を部屋に出しっぱなしにすることは考えにくいのですが、このデザインなら違和感はありません。

実際、ちょうどリビングに出してあった「エルゴスリー オート」を見て、遊びに来たママ友さんから「わあ、ステキな掃除機だね~」と言われて、掃除機をステキと言われたのは生まれて初めてだなと思いました。スティック型タイプの「エルゴラピード」が大ヒットしたというのもうなずける話です。

●想定以上のすっきり感! 「オートモード」で悩まずパワーを堪能できる

静かさが「期待通り」なら、「想定外」はパワフルだったこと。「エルゴスリー」は床面の状態に合わせて最適なモードを自動的に選択する「オートモード」を搭載していますが、これで掃除したとき吸引力の強さにはびっくりしました。

我が家では、子どもが転んでも危なくないように、フローリングに6畳ほどのコルクマットを敷いているのですが、吸引力の強さでこのコルクマットが持ち上がったほどです。真空になっているのかと思うほどの密着具合で、押す・引くときに力がいるほど。もちろん掃除自体に支障があるわけではないので、そのままかけ終わって、いままでないスッキリ感にさらにびっくり。素足で歩くコルクマットだけに、その差がはっきりわかりました。このスッキリ感の表現は難しいのですが、特にザラザラする粉っぽい汚れにとても強いように感じました。

ところで、「エルゴスリー」は、その性能を「ダストピックアップ率」で表しています。これは国際的に使用されている掃除機の性能評価基準。国内の掃除機が基準にしている吸込仕事率は、じつはホースと延長管を機器につなげて駆動させた場合の空気を吸い込む力を計測しているだけなので、パワーブラシなどのヘッドの能力は考慮されていません。

一方、ダストピックアップ率は、実際に規定のゴミを撒いて、そのゴミをどれだけ吸い取ったかをパーセントで表す指標です。つまり、実際の掃除するシーンに近いのです。国内メーカーはほとんど公表していないので比較のしようがないのですが、「エルゴスリー」は「パワー3」の場合、フローリングで99%以上、カーペットでも80%と高性能。静かな「パワー1」でもフローリング96%、カーペット75%と十分な性能をもっています。(※オート 国際規格IEC60312に準拠した独立第三者機関SLG及び社内でのテスト結果)

ふだんの掃除の快適さを左右するヘッド部分は、しっかりしたつくりのパワーノズル。回転ブラシも強力で、毛足の長いじゅうたんでもしっかり掃除できました。国産の自走式のような軽さはないのですが、パワーは抜群です。また、前面だけでなく左右からも吸い込むので、壁際や狭いところもしっかり掃除できます。

さらに、最上位機種の「エルゴスリー オート」には、便利な2種類のノズルが付属しています。電動モーターを搭載した「ミニパワーノズル」は、ソファについたペットの毛などをしっかり掃除できるパワフルなもの。ワンタッチでヘッドが回転するなど、小回りが利くので、クルマのトランクなどの狭い部分を掃除するときに便利です。

そして、すき間ノズル、ブラシノズル、ミニノズルの3役をこなす「3in1ノズル」も秀逸。一方がブラシに、もう一方がすき間ノズルになっているだけではなく、すき間ノズルを開くとミニノズルになるこのギミックは、思わず「なるほど!」と声が出てしまったほどです。

●目からウロコ、手間いらずで意外にお得な「e-bag」

現在、店頭に並んでいる掃除機のタイプは、サイクロン式と紙パック式。サイクロン式が人気なのは、紙パックのコストがかからないからという理由もあります。紙パック式の掃除機は、紙パック自体がフィルターとしての機能も兼ねているので、高性能の機種は紙パックも高額。実際、プレミアム掃除機のなかには、3枚で1000円以上するものも少なくありません。

ただし、サイクロン式で困るのが、ゴミ捨て時に直接ゴミに接する割合が高いこと。せっかく吸い取ったゴミを捨てるときにもう一度まき散らすことになってしまうので、各社ともゴミを圧縮したりワンタッチで捨てられるようにしたり、さまざまな工夫をしていますが、それでもある程度の飛散は避けられません。

「エルゴスリー」の専用紙パックは、「e-bag」という5層の合成繊維素材でつくったまるで布かと思うほど厚手のもの。しかし、価格は4枚で980円と、ほかのプレミアム掃除機より安く、標準の使い方なら、なんと3カ月に一度の交換でいいという年間コスト980円で手間いらずの紙パックです。1カ月に一度紙パックを捨てるだけでも面倒なのに、毎回のようにゴミを捨てる必要があるサイクロン式にどうしても切り替えられない私にとっては、この手間いらずの仕様は福音でした。

ちなみに購入時に4枚セットが付属し、さらにユーザー登録を行うと、もう1セットがプレゼントされるので、少なくとも2年間は交換用の紙パックを買う必要がありません。また、本体背部にあるHEPAフィルターは洗浄や交換は不要ですから、紙パックやフィルターまわりのコストが、実は結構お得なのです。

パワフルで静かで清潔――そんな掃除機の基本がしっかりしていて、安心感のある「エルゴスリー」。この最新機能がこう働いて……と、アタマで考えながら使いこなすというよりも、悩まずしっかり、そして長く使える安心感のあるプレミアム掃除機です。(フリーライター・西村敦子)