ダンスを踊っている人を見てグッとくるときが、誰にも必ず来る

 

――シーンや若い世代の現状を見据えつつ、自らの表現でフィールドを押し広げようとするJUNさんの姿には、若い表現者たちも勇気づけられることが多いと言う。大竹さんは「なにかに挑戦するとき、自分の気持ちにストッパーをかけてしまって、最初の一歩が踏み出せないことってあるじゃないですか。そんなときJUNさんは『そんなの簡単だよ。自分で踏み出せばいいんだよ。踏み出さない方が大きい痛手になるんじゃない?』って身を持って示してくれる。そうやって、若手の挑戦しようとする心を引っ張ってくれるんです」と、JUNさんの人柄を語ってくれた。


「ダンサーでも振り付け師でも、俺がいいと思った人は、若かろうがなんだろうが、リスペクトして習いますよ。『それどうやってやんの? 教えて』って。それができない人は、頭打ちになって絶対伸びないですよ。だってそれを吸収したほうが自分にとっていいじゃないですか。大御所と呼ばれている人たちって、いいものを認めて、教わって吸収する人は多いですよ。

どんどんいいものや新しいものが出てくるから、こっちは必死じゃないですか。だって古いんだから。それをどうやって吸収しようかなと思ったら、そいつらに聞くのがいちばん早いもん。“古い”とか“ダサい”とか思われたら、俺たちの世界はアウトでしょ? だから必死ですよ。そのためにはいろんなところにアンテナを張ってないと、遅れちゃいますよね。怖いくらいシビアな世界ですから」


――日本のストリートダンス黎明期から現在まで、さまざまな角度からダンスの魅力を発信し続けるJUNさん。ダンスの公演と言うと、ダンスに詳しい人しか楽しめないのではないか、と不安に思うダンス初心者の人もいるだろう。“ダンスの見方”がわからないから、見てもイマイチ楽しみ方がわからない……そんなふうにダンスとのきっかけを見つけられないでいる多くの人にとって、JUNさんの活動のひとつひとつが、ダンスという新たな世界へ踏み出す最初のきっかけとなるはずだ。今回開催される『Blue Print』は、まさに“ダンスとの出会い”として最高の機会となるだろう。

 

「カッコいいとかカッコ悪いとか、踊りを知ってるとか知らないとかそういうことじゃなくて、そのダンスで踊っている人を見てグッとくるときが、必ず来ます。胸を打たれるっていうか、なんだかわからないけど、その人の踊りを見たときに心がグっときたりジーンとしたり、そういうダンスを見ると『うわぁダンスってすげぇなぁ!』って思います。それは“ダンスの見方”なんて全然関係なくて、単純に見てて感じるものが絶対ある。俺にはそれがあったんで。

『Blue Print』は笑える要素も多いんですよ。うまくてカッコいいダンスばっかり見てると、疲れちゃうでしょう。カッコいいだけだから。でもそこにくだらなかったり笑える要素を加えることで、一般の人もすごくとっつきやすくなる。その振り幅が大きければ大きいほど、きっと心には残ると思う。『Blue Print』では俺、カッコいいダンス踊らしてもらえないもん(笑)。でも、それが面白いと思うんだよね」
 


Blue Print Vol.2『死神パレード』
12月12日(水)~16日(日) アドリブ小劇場(浅草橋)
脚本 福田昌平
脚色・演出 大関真(劇団SET)
【お問合せ】03-3420-2897(平日11:00~18:00)
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