『人生の特等席』に出演したエイミー・アダムスとジャスティン・ティンバーレイク(C)2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

クリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』から4年ぶりに俳優として出演する映画『人生の特等席』が23日(金)から日本公開される前に、本作に出演しているジャスティン・ティンバーレイクとエイミー・アダムスがインタビューに応じた。

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本作は、大リーグの伝説的なスカウトとして野球にその生涯を捧げてきた男、ガス(イーストウッド)と、視力が衰えながらも決してそのことを打ち明けようとしない父のために、彼のスカウト道中に付き合うことを決めた娘ミッキー(アダムス)が、旅を通じて絆を回復していく過程を描いた作品だ。

劇中では、疎遠になってしまったガスとミッキーの間を、ティンバーレイク演じる元プロ野球選手の青年ジョニーがとりもつ。アダムスは「この映画で描かれているのはいわゆる典型的な父娘関係とは言えないわね。でも、役作りのうえで友達や、撮影現場のスタッフに話を聞いたら、とても多くの人が父と娘の関係について、人生最高の関係にもなり得るし、いちばん大変な関係にもなり得ると考えていることがわかったのよ」と振り返る。

以前から顔見知りで、互いの出演作を高く評価していたというふたり。でも何より、彼らにとって、名優イーストウッドとの共演が大きかったようだ。ティンバーレイクが「クリントは、僕らがいる映画界のすばらしさのすべてを象徴している。監督でないにせよ、クリントが1本の映画にその名を刻むのをそばで見ていられるなんてもう……」と言葉を失えば、アダムスは「彼の演技はとにかくすばらしいわ。この映画で彼の演技には胸を打たれた場面が何度もあった」と賛辞をおくる。さらに本作では長年、イーストウッドの下で学んだロバート・ロレンツが監督デビューを飾った。ティンバーレイクは「クリントがこの映画をプロデュースし、ロバートに監督させるための土台を与えているということが重要だ。ロバートはルーキーでも何でもない。自分がやっていること、ストーリーについて、何が正解で、それぞれのキャラクターの見せるべき点はどこかを完全に把握しているんだ。まさに満を持しての監督デビューだったんだよ」という。

本作では、イーストウッドを囲むように、映画界で躍進中の若い才能が顔を揃えている。ティンバーレイクが「僕が彼について一番学んだことは、あの年齢で彼はまだ仕事を実に若々しくこなしていること」と語る通り、本作に関わった若い映画人たちは撮影を通じて、イーストウッドから自身の未来につながる大きなものを受け取ったようだ。

『人生の特等席』
11月23日(金) 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー