左から、日経テクノロジーオンラインの山田剛良副編集長、newzooのPIETER VAN DEN HEUVEL氏、ブリザードエンターテインメントのNATE NANZER氏、シグニアベンチャーパートナーズのSunny Dhillon氏、CyberZの大友真吾氏

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は9月21日から24日まで、千葉・幕張メッセで日本最大規模の総合展示会「東京ゲームショウ2017(TGS2017)」を開催した。特徴的だったのは、今年から展示の規模を拡大したコンピュータゲームを競技としてとらえる「eスポーツ」だ。

初日のイベントステージでは「日本におけるeスポーツの可能性」と題した基調講演を開き、世界各国の有識者が海外と日本の現状について議論を交わした。挨拶に立ったCESAの岡村秀樹会長は「世界のeスポーツの観客数は、2020年にはメジャースポーツの規模に匹敵する5億人に届くという予測がある。これからは一層、ゲーム産業の拡大、活性化に向けてeスポーツに取り組んでいく」とコメントした。

世界の状況

講演では、オランダの調査会社newzooでeスポーツ市場を中心に調査しているPIETER VAN DEN HEUVEL氏は、「世界では、eスポーツの放映料やスポンサー料などでビジネスが成り立ってきている。既存メディアの投資額は約6億9200万ドルで、この動きは続くだろう。すでに、幼少期は脱したとみている」と説明した。

これを受けて、世界的に人気なPCゲーム「Warcraft」シリーズや「Overwatch」を手掛ける米国のブリザードエンターテインメントのNATE NANZER氏は、「次の成長期へ進むための方法として、課金や会員費だけでなく、ゲームの楽しみ方の一つとして広がっているデジタルストリーミングや、ゲーマーへの寄付といった、新しい収益の方法が生まれてくるだろう」とした。

また、eスポーツ市場の拡大策として、コンソールゲームの参入も視野に入ってくる。従来のコンソールゲームは、ソフトやゲーム機のバージョンアップでユーザーが分断されてきたため、一つのゲームを極めるスポーツとしては成立しにくい。そこで、「World of Tanks」や「Overwatch」といった人気PCゲームでもプレイできるようにすることで、さらなる人口増を目指す。

日本国内の状況

日本でもeスポーツは成長を続けている。CyberZが主催する「RAGE」は、2016年1月の第一回大会では来場者数が150人、視聴者数が13万人だった。それが17年9月の第五回大会には1万1000人が訪れ、211万人が中継を視聴するほどの急成長を遂げた。

「Overwatch」の世界大会を主催しているNATE氏は、「日本は大会を開催するための会場や中継、通信設備、観客などの下地が整ってきた。日本のプレイヤーについては、世界大会に出場する機会も増えて注目を集めている。メダル競技化も控えており、このチャンスを逃す手はない」と、日本にもeスポーツ発展の兆しがあることを示した。(BCN・南雲 亮平)

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