『もうひとりのシェイクスピア』(C)2011 Columbia Pictures Industries, Inc. and Beverly Blvd LLC All Rights Reserved

ローランド・エメリッヒ監督の新作『もうひとりのシェイクスピア』が12月22日(土)より公開される。これまで『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』などの作者は劇作家・シェイクスピアとされていながらも、“別の人物が作品を書いた”という謎の別人説も伝えられている。その最有力候補である人物のドラマを描いた本作に、著名人から多くの絶賛の声が寄せられている。

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そもそも、文学史上歴史的な謎として知られる“シェイクスピア別人説”は、彼に対する記述がほとんど残されていないということからはじまったという。この謎を解き明かそうと研究する学者たちはさまざまな説をとなえているが、現在もっとも有力とされている人物は、貴族であり作家のオックスフォード伯。本作ではこの謎を基に、女王エリザベス一世と若き日に許されない恋に落ちた伯の知られざるドラマを描いている。

シェイクスピアの4大悲劇として知られる作品『リア王』『ハムレット』『オセロ』『マクベス』を全て演じた歌舞伎俳優の松本幸四郎は「“もうひとり”の存在によって、シェイクスピア作品はより魅力的に甦る。歴史、恋、政争…すべてにリアリティがもたらされた」と絶賛。宝塚歌劇団出身の麻実れいは、「魅力的な歴史ミステリー、美しく華やかで面白く、この映画そのものがシェイクスピアでした!」とコメントしている。さらに、彩の国シェイクスピア・シリーズの企画委員長である河合祥一郎氏は、著書『謎ときシェイクスピア』(新潮社刊)で論議を否定していたが、「シェイクスピア通をうならせる仕上がりです。史実の奇想天外な解釈に仰天しつつ楽しみました」と高く評価している。

近年では『ピラミッド 5000年の嘘』など、歴史の謎に迫った作品が多く公開されているが、本作ではあえて歴史の謎を紐解くために論破するという手法をとらず、謎の裏側に隠された人間ドラマを描いている。“シェイクスピア別人説”が正しいか否かは別として、多くの著名人の心を捉えた本作の公開を心待ちにしたい。

『もうひとりのシェイクスピア』
12月22日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー