『ミロクローゼ』監督が語る“映画でしかできないこと”

2012.11.29 13:5配信
『ミロクローゼ』を手がけた石橋義正監督

山田孝之が主演する映画『ミロクローゼ』が現在、公開されている。本作を手がけたのは『狂わせたいの』『カラー・オブ・ライフ』など独自の世界観と映像美学で新作を発表し続ける石橋義正監督。満を持して発表された本作も、唯一無比のポップ・アート作品に仕上がった。

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本作には3人の主人公が登場する。ひとりは“偉大なミロクローゼ”に恋をしてしまった平凡な男オブレネリプレネリギャー、もうひとりがヘナチョコ男どもの恋の悩みを一刀両断していく青春相談員・熊谷ベッソン、そして愛する女性ユリの行方を追って旅をする片目の浪人・タモン。映画は山田がひとりで三役を演じる。

「今回はガラにもなくラブストーリーなんですよ」と笑う石橋監督は「実は20代前半に作品を作り始めた頃は純粋なラブストーリーも作っていたので、原点に帰った部分もあるんです。最近の若い人の傾向を見ていると“積極的に恋をしていない”ことがもどかしいしもったいない。みんなが恋をして、それがすべての始まりにつながればと思う」という。

そのために石橋監督は様々な人物の恋模様を描く脚本を執筆していたが、ある時に「ひとりの俳優が複数の役を演じることで、1本の映画を見終わったときにひとりの人間像を思い浮かべるようになれば」というアイデアを思いつく。しかし、まったくタイプの違う役を完璧に演じられる若い俳優はそう多くない。そこで白羽の矢がたったのが山田孝之だ。「人からとてもいい俳優さんだと聞きまして『クローズZERO』を観たんです。そしたらひと目で好きになってしまいました。山田さんは役者さんとして表に立つというより“作品を作る”という考え方のある人。作品のために全力を尽くしてくれるので、こちらも安心してできました」。

映画はアクション、ダンス、不条理劇、アニメーションなど様々な要素を交差させながら、様々な愛の物語が綴られていく。そのインパクトは絶大ながら展開は予測不可能。エンドロールが終わる瞬間まで気が抜けない作品だ。「起承転結あってうまく台本が書かれたものも面白いんですけど『ああ、面白い台本だったな』としか思えない。最近の日本のエンターテイメント映画はテレビ見てるのとあまり変わらないので、どこかで新しいものをつくっていこうという動きがないと文化は続かない気がします」。

先の展開が予想できない、しかし予想外にストレートな恋愛ドラマが描かれる映画『ミロクローゼ』。石橋監督が「映画である以上、映画でしかできないことをやった」と語る映像世界をスクリーンで堪能してほしい。

『ミロクローゼ』
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