渋谷で開催された「次世代ZenFoneテクニカルセミナー」の様子

ASUSのSIMフリースマートフォン「ZenFone」シリーズにニューフェイスが登場した。人気モデル「ZenFone 3」の直系となる「ZenFone 4」シリーズだ。最大の進化点はカメラ機能。東京・渋谷のJINNAN CAFEで開催された「次世代ZenFoneテクニカルセミナー」で実機に触ってみたインプレッションをお届けしたい。

海外発表からわずか1か月で国内でも発売

2017年8月の台湾での発表からわずか1か月。日本でも「ZenFone 4(ZE554KL)」「ZenFone 4 Pro(ZS551KL)」「ZenFone 4 Selfie Pro(ZD552KL)」の3機種の発売を発表し、9月23日から「ZenFone 4」「ZenFone 4 Selfie Pro」の販売を開始した。「ZenFone 4 Pro」は10月下旬以降に発売予定。

「ZenFone」は、もともとレーザーオートフォーカス機能を採用するなど、独自技術でスマホカメラの限界に挑戦してきたが、国内で今回発売した「ZenFone 4」シリーズ3機種は、すべて5.5インチの大画面ディスプレイとデュアルレンズカメラを搭載。本体価格は、高いほうから「4 Pro」「4」「4 Selfie Pro」の順となるが、単純にハイエンド、ミドル、エントリという区分ではなく、それぞれ異なるアプローチで三者三様の方向に進化を遂げたカメラ性能による差ととらえたほうがいい。

デュアルレンズカメラ搭載の普及モデル「ZenFone 4」

「ZenFone 4」は、ガラス製の光が中心から放射状に広がる同心円のデザインが特徴。エッジにはダイヤモンドカットを施した。「3」では中央にあったカメラの位置を右上部に変更。普及モデルながら、1200万画素のメインカメラ、800万画素のセカンドカメラで構成するデュアルレンズカメラを搭載する。

メインカメラは83°の標準レンズ、セカンドカメラは120°の広角レンズを備え、ワンタップでレンズの切り替えが可能だ。例えば、観光名所で記念写真を撮影するときであれば、「人物フォーカス」と「景色全景」の2パターンを瞬時に撮り分けることができる。

「ZenFone 3」でも評判が高かったISO感度やF値を細かく設定できる「マニュアルモード」は、今回から名称を「Proモード」に変更し、使い勝手を向上。このモードでは画像をRAW形式で保存することができるので、PCに取り込んで写真にこだわりの編集を加えることが可能だ。

「ZenFone 4 Pro」「ZenFone 4 Selfie Pro」はより個性的

約1.6mの高さからの落下にも耐える強度のCorning Gorilla Galass 5を採用した「ZenFone 4 Pro」は、1200万画素・焦点距離25mmのメインカメラ、1600万画素・焦点距離50mmのセカンドカメラで構成するデュアルレンズカメラを搭載。光学2倍・デジタル5倍の最大10倍のズーム撮影ができる。また、スマホとしては最高レベルのF値1.7の明るいレンズで、一眼レフ並みにノイズが少ない暗所撮影が可能。「ポートレートモード」で背景にボケ味を与えることもできる。

「ZenFone 4 Selfie Pro」は、前面にデュアルレンズカメラを備え、名称通り、自撮り機能に特化。「4 Pro」「4」より約1mm薄いメタル製ボディで、より個性的だ。

メインカメラは1200万画素で、セカンドカメラには500万画素の広角カメラを採用。セルフィーでもボケ味を演出する「ポートレートモード」や4K動画にも対応する。

「ZenFone 4」シリーズ3機種を一通り試してみて、特に前面にデュアルレンズを搭載した「4 Selfie Pro」は、一定のユーザーにはダイレクトに刺さる機種だと感じた。「ZenFone」のメインストリームのシリーズはガジェット好きにフォーカスしたイメージが強かったが、セルフィーを強く意識した「4 Selfie Pro」は薄型メタルボディで、デザイン面でも女性が手に取りやすい印象。家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、販売台数はスマートフォン全体の4分の1前後で、まだ拡大の余地があるとみられるSIMフリー市場。ターゲットの拡大も含めて、シェアの巻き返しを図る。(BCN・大蔵 大輔)

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます