<家電激戦区を歩く>東京・池袋(3) 適材適所の専門スタッフ 気軽に話せる環境づくりを重視

2012.12.3 10:48配信

東京・池袋は、東京や埼玉から、さまざまな層のお客様が訪れる街だ。家電量販店各社は、各店舗で製品の機能や用途を詳しく把握した専門性の高いスタッフを適材適所に配置し、お客様の誰もが気軽に話せる環境づくりを重視している。また、修理カウンターや相談窓口の充実や迅速な対応など、購入者を全面的にサポートして囲い込む取り組みを徹底的に行っている。もちろん、接客やサポートによる家電製品の「使う楽しさ」の訴求にも抜かりがない。(取材・文/佐相彰彦)

<接客・サービス>

●お客様の生活をサポート 都市型と郊外型を経験

ビックカメラは、池袋に展開する5店舗を「専門店の集合体」と捉え、それぞれに専門性をもたせている。各店舗で扱う商品が異なることから、「パソコンに詳しい」など、各店舗には一つの商品分野もしくは複数分野とその周辺機器の機能・用途に精通した人材が揃っている。

その一人が、本店パソコン館の宮田貴広店長代理だ。すべての分野に関して高い知識をもっているのはもちろん、店長代理として、お客様の来店意欲を高める工夫に余念がない。例を挙げれば、Windows 8搭載パソコンの発売期には、「先行して大量入荷」などのキャッチフレーズを掲げて店頭でパソコンの新機種を展示。体験コーナーを充実させ、インターフェースが大きく変化したWindows 8の「体験」をアピールしている。じっくりと品定めできるコーナーも用意し、お客様がパソコンを購入に訪れて「役に立った」「楽しかった」と思わせる環境をつくっている。「お客様が満足して、納得してご購入いただけるよう、常にレイアウトや見せ方を工夫している」という。そんな努力によって、本店パソコン館のパソコンフロアは、連日、多くのお客様で混雑している。

ビックカメラの売り場には、一分野だけを担当するスタッフが多いが、一方で幅広いアイテムの知識を深く習得しているスタッフもいる。それが、フロアをまたいで複数の商品を購入するお客様に対応する「まとめ買いアドバイザー」だ。池袋本店には配置された5人のアドバイザーのうち、唯一の女性アドバイザーが松浦育子氏だ。入社4年目で、アドバイザーになって2年がたつ。一人暮らしを始める女性の学生や社会人の接客は必ず松田アドバイザーが担当する。「お客様と同じ目線で商品を選んでいる」ことが、とくに女性のお客様から支持を得ている。また、絶対に予算を聞き出さないことで、お客様から評価が高い。「お客様の家の間取りや家族構成、その商品へのこだわり具合などを聞いて、最適な商品を提案している」という。そのアドバイスにもとづいて、お客様は迷った末に、一クラス上のモデルを購入するケースが多いという。松田アドバイザーに接客されることによって、快適な生活への願望が高まるようだ。

ヤマダ電機が旗艦店と位置づけるLABI1日本総本店池袋の渡辺宏紀店長は、過去にLABI新橋の店長を務めた経験をもつ。新橋の前は、北海道を中心に「テックランド」の店長やスタッフを務めていた。「北海道は、他地域に比べるとお客様との距離が近い。付近の会社員のお客様が多い新橋では、ビジネスライクな関係から、いかにお客様との距離を縮めることができるかがリピーター確保のポイントだった」と振り返る。このようなノウハウをもつ渡辺店長が、LABI1日本総本店池袋の店長に就任したのは今年7月。「都市型と郊外型の両方を兼ね揃えた当店で、これまでの経験を生かして売り上げを伸ばしていく」との方針を示している。ヤマダ電機の集大成であるLABI1日本総本店池袋の成長は、渡辺店長の手腕にかかっている。

●【接客】カメラのことなら何でも対応 デモと接客で

ビックカメラの池袋東口カメラ館は、カメラ専門店としてお客様から高い評価を受ける店舗。その評判は、プロ向け機材などの専門性の高い商品の品揃えが充実していることだけではなく、接客にまで及んでいる。同店には、写真撮影が趣味で、道具としてのカメラにこだわりのあるお客様が来店することが多い。これに応えて、スタッフには豊富なカメラの知識をもち、カメラのことならプロ・アマ問わずに何でも相談できる環境を整えている。とくに、デジタルカメラのトラブルや修理に関しての問い合わせが多いという。

実際に、店舗では写真撮影を趣味とする“カメラ女子”がスタッフと気軽に話している場面を頻繁に見ることができる。

ヤマダ電機のLABI1日本総本店池袋は、デモコーナーの充実に力を入れている。これには、実際に商品を体験してもらうことと接客とを組み合わせることで、お客様が商品の特性や使い方を把握できるという効果がある。単に商品を体験してもらうのではなく、スタッフが説明を交えながら、さまざまな角度から商品のよさを訴えているのだ。

ラオックスの東武池袋店は、百貨店内の出店ということで、来店者の多くが主婦層。ゆっくりと、わかりやすいていねいな言葉遣いで接客して、商品のよさを伝えている。同店の好調は、単に商品の価格の安さだけを求めるのではなく、良質なサービスを求めるお客様が多いことを物語っている。

●【サポート・サービス】サポートの強化が売上増に 迅速・丁寧・確実がカギ

ヤマダ電機のLABI1日本総本店池袋、ビックカメラの池袋本店や本店パソコン館などは、大型店舗ということで幅広い層のお客様が来店することを想定し、人材や接客に加え、サポートもさまざまな要望に対応している。

ビックカメラの池袋本店では、お客様による複数の白物家電やデジタル機器の購入に対応するため、まとめ買いアドバイザーを配置しているが、LABI1日本総本店池袋も「コンシェルジュ」というすべての分野に精通したスタッフを10人揃えている。彼らは、「コンシェルジュご相談コーナー」でお客様の要望をしっかりと聞き、予算に応じた最適な商品を提案する。「コンシェルジュは、多くの売り場を経験し、各アイテムを深く知っている。例えば、この薄型テレビに適しているのはレコーダーなのか外付けHDDなのか、お客様の用途に応じて提案している」と、渡辺店長は説明する。

また、同店ではスマートフォンのフロアで最適な機種を提案するコンサルティングを含めたサポートコーナーを設置。新規契約者だけでなく、スマートフォンの利用者に対してもわからないことがあれば使い方をアドバイスしている。

ビックカメラ本店パソコン館では、1フロア全体をサポートコーナーにして、パソコンの修理や買取りなどを行っている。通常、修理コーナーなどは1フロアの小さな一角に設けている店舗が多いが、「本店パソコン館に行けばパソコンに精通したスタッフが迅速に対応してくれる」と、お客様には好評だ。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2012年11月26日付 vol.1458より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

いま人気の動画

     

人気記事ランキング