星野 源 ――いまいちばんモテる男が奏でる希望のうた

 

イベント前半ラストは、ついに『笑っていいとも!』にも出た男、星野 源! 後に登場したスチャダラパーのBOSE曰く、「SAKEROCKのころから知っててさ、ソロ始めるってときも相談なんか受けちゃったりして。『(上から目線風に)おぉいいじゃん、ソロいいじゃん、やりなよ~』なんつってたら、あっという間に追い越されちゃってね。いまじゃ『すいませんすいません』って感じ(笑)」と話してましたが、今回はじめて彼のライブを見て、人気の理由がわかりました。いまどき「いい音楽は売れる」なんて言うと総ツッコミされそうな世の中ですが、この日の彼のライブを見て「ほらみろ!やっぱりいい音楽はたくさんの人に聴かれるんだよ!」と大声で叫びたくなりました。だっていいんだもん、この人の音楽。
 

弾き語り、ドラムとベースの3ピース、スチールギターやホーン隊を加えた大編成と、自在に形態を変えながら奏でる彼のライブには、シンガロングや手振りを求めたりとオーディエンスを鼓舞するようなパフォーマンスはありません。音とメロディと声というシンプルな要素で奏でる「うた」の力で聴き手の心をゆさぶっていく彼のスタイルは、ももクロいろクローバーZ~筋肉少女帯と続いてマキシマム ザ ホルモンへとつながっていく出演順ともあいまって、より一層際立っていました。
 


朴訥としたあたたかな声と、深い霧の中から一筋差す光のようにきらめくメロディによって、世界の表も裏も優しく暴いていくような歌詞の世界に生命が宿っていく。ライブ冒頭、MCで「これからこんな暗い曲ばっか続くから覚悟しとけよ!」と冗談交じりに言っていましたが、やっぱり彼の音楽から最後に受け取るのは希望だなあと、改めて感じさせられました。MCではゆる~く笑わせるトークで場を和ませる芸達者ぶりに唸りつつ、「うんこの中にも大事なものがあるんです。そんな歌です」と言って歌われた『くだらないの中に』の美しさに落涙。こりゃ人気出るよ。あとこの人絶対モテるよ。と、男ながらクラッときたり嫉妬したり、星野 源の魅力に浸りまくった充実のステージでした。

シングル『知らない』
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現在大量オンエア中の最新シングル『知らない』が絶賛発売中の星野 源。彼のライブを見られる今年最後のチャンスは、12月28日(金)に幕張メッセで開催される冬フェス『COUNTDOWN JAPAN 12/13」』。大躍進を遂げた2012年のしめくくりに、きっと素晴らしいステージを繰り広げてくれるはず。

<SETLIST> 1.ばらばら 2.くせのうた 3.湯気 4.バイト 5.知らない 6.パロディ 7.夢の外へ 8.くだらないの中に 9.フィルム