世間には本当にたくさんの種類の缶コーヒーが売られている。これだけ種類があって、さらに毎月のように次々と新商品が発売される飲み物は、ちょっと他には見当たらない。そう、缶コーヒーはもはや“国民飲料”と呼んでも差し支えないほどの存在になっているのだ。

このコーナーでは、そんな多種多様な缶コーヒーを、研究員の独断と偏見でレビューしていく。このレポートが、少しでも皆さんの缶コーヒーライフのお役に立てれば幸いだ。


今週のテーマ「大人気分に浸れるコク深く香りある缶コーヒー」

ブランド:コカ・コーラ
商品名:ジョージア VINTAGE




 







甘味・苦味・酸味が非常にバランス良くまとまった飲みやすい一本。様々な味が凝縮されて一つになっており、口当たりの良さは絶品。コーヒー豆を通常よりも長時間、蔵で寝かせ熟成させたとのことで、その名の通りヴィンテージワインのような深みのある味わいはまさに「大人のコーヒー」と呼ぶにふさわしい。これだけの味わいを内に秘めつつ、しかし決して気取らない。その謙虚さはまさに缶コーヒー界の小堺一機。司会者として場を完璧にコントロールしながらも、あくまでも主役はゲストに譲る彼の謙虚な姿勢と同じように、この「ジョージア VINTAGE」もまた、地味ながらもあなたの生活にそっと彩りを添えてくれるはずだ。

【成分(100gあたり)】

エネルギー(kcal) 33
たんぱく質(g) 0.8
脂質(g) 0.7
炭水化物(g) 5.9
ナトリウム(mg) 42
糖類(g) 記載なし


コク★★★☆☆
キレ★☆☆☆☆
香り★★★☆☆
甘味★★★☆☆
苦味★★☆☆☆


ブランド:大塚食品
商品名:NESCAFE 香味焙煎ブレンド














「北海道産生クリーム使用」をメインキャッチコピーとして打ち出した香味焙煎ブレンド缶コーヒー。その生クリームの柔らかい口当たりが酸味を中和し、スッと飲めるマイルドな味わいに仕上がっている。一方でコーヒー豆を10%増量したことによりコーヒー感もきっちり。細かいところまで手を抜かない仕事ぶり、マイルドさとストイックなコーヒーらしさを備えた二層の深みは、柔らかい人当たりながらも人一倍笑いに対して厳しい明石家さんまを彷彿とさせる。仕事に対しては徹底してストイックに、しかしお客さんに対してはマイルドに、仕事人としてそうありたい人に味わってほしい逸品だ。

【成分(100gあたり)】

エネルギー(kcal) 26
たんぱく質(g) 0.2~1.0
脂質(g) 0.3~1.1
炭水化物(g) 4.4
ナトリウム(mg) 20~70
糖類(g) 記載なし


コク★★★☆☆
キレ★★☆☆☆
香り★★★☆☆
甘味★★☆☆☆
苦味★★★☆☆

ブランド:サントリー
商品名:BOSS 缶珈琲職人 洗練の極み







 






二段焙煎によるコクとミルク感、そしてコーヒー豆の苦味と香り。濃厚で強烈なインパクトある味わいは、さすが“缶珈琲職人”である。「洗練の極み」という自信たっぷりの名称もこれなら十分納得がいく。一方、様々な風味がギュッと詰まっているため、やや“重い”と感じる人もいるかもしれない。言うなればこの「BOSS 缶珈琲職人 洗練の極み」は缶コーヒー界の故立川談志なのだ。絶対的な自信と実績に裏付けされた彼の芸は子どもにはわからない。それと同じく、圧倒的な実績を持つBOSSブランドのずっしりとした味わいは、人生の酸いも甘いも噛み分けた大人の人にこそ楽しんでほしい。

【成分(100gあたり)】

エネルギー(kcal) 33
たんぱく質(g) 0.6
脂質(g) 0.6
炭水化物(g) 6.3
ナトリウム(mg) 44
糖類(g) 不明

 

コク★★★★☆
キレ★★☆☆☆
香り★★★★☆
甘味★★☆☆☆
苦味★★★☆☆
 

やまだい・ゆうき 映画、漫画、ゲームなどエンターテインメント関連の記事を中心に執筆するフリーライター。飲料では特にコーヒーとカフェオレをこよなく愛しており、これまでに数百もの缶コーヒーの感想を記録している。ブログ