作家の橘 玲(たちばな・あきら)さんが、<日本の問題を進化論の視点から考えてみる>という視点で書いた社会批評集『不愉快なことには理由がある』(集英社)を発表した。

進化論とは、かの有名なダーウィンが『種の起源』で提唱した

<子孫を残すことに成功した遺伝子が次世代に引き継がれる>

という理論のこと。では進化論を使って日本の問題を解き明かすとどうなるのか? 本書の基本姿勢は、次の一点だ。


『世の中で起きている問題の多くは、すべてヒトという生物の進化において必然的に起こってしまうもので、回避することはできない』
 

えぇーそんなミもフタもないこと言っちゃうの!?
本書で取り上げられている中から例をあげてみると……
 

・政治家が権力にしがみつくのは、権力欲が脳にプレインストールされているから
・いじめはヒトの本能から生まれるものなので、原理的に根絶できない

 

政治やいじめといった現代日本が抱える大問題も、
進化論を用いると、このような結論に達するのだそうだ。
ではその内容を詳しく見ていこう。