3.ミニマムな出費で暮らせる節約力

いざとなったら稼ぐという気概と、実際に「稼げる」能力も大事ですが、実はそれ以上にモノを言うのが「節約力」です。

なぜなら、たとえ収入が少なくなっても、支出を大幅に抑えることができれば、少なくとも一定期間は案外困らずに暮らせるものだからです。

失業や転職で、一時的にパパの収入がなくなるor減る程度のピンチなら、ママが一切働かなくても、節約力と貯蓄で持ちこたえられる場合もあります。

「どっしりママ」は、たいてい節約家。それなり以上に稼ぎがあっても、しょっちゅう旅行や外食をするわけでもかく、美容や洋服にも多くは使わず、ファストファッションなどをうまく取り入れてシンプルに暮らすママが目立ちます。

それもきっと、「パパにいつ何があるかわからない」という意識があるからなのでしょう。

もちろん、今はパパや自分自身ががっつり稼いでいて、貯蓄分を除いても余裕があり、節約する必要はないというママもいるでしょう。しかし将来、何らかの理由で、その収入が激減する可能性がないとはいえません。

家計に余裕のあるママも、万が一、収入が激減したときのために、ときどき節約月間をつくって、ミニマム家計をシミュレーションしておくとベター。

「最低限これだけあれば、うちは暮らせる」というラインを明確に把握しておけば、一時的に収入が減っても慌てずに済みます。

4.役立つサービス・制度に関する知識

世の中には、自治体が主導する子育て支援サービス(ファミリーサポート、認可保育園の一時保育など)をはじめ、いざというときの助けとなる情報がたくさんあります。

今はインターネットで何でも調べられる時代ですが、そのかわり、情報量が膨大で、いざ有用な情報を探し出そうとすると、けっこう時間もかかります。

いざというときスムーズに情報を集めるためには、普段からアンテナを張って、ピンチのときに使えそうな口コミ情報を仕入れたり、本やインターネットで知識を身につけたりしておくことも必要でしょう。

とはいえ、現状で困っていないと、なかなか本気でリサーチするモチベーションは起こりませんよね。

それなら、物知りで情報通のママ友を持つというのも一つの手です。特に、すでにピンチを何度か体験している経験豊富なママは、知識も豊富。

おそらく、急な夫の転職やトラブルなど、何かあるたびに、ピンチの切り抜け方や新しい仕事、子どもの預け先などを必死で探すので、情報収集力が磨かれ、知識も積み重なっていくのでしょう。

いざ困ったときだけでなく、普段からピンチを切り抜けた体験談などを聞かせてもらうと、参考になりますし、どっしりした姿勢を学べます。

まとめ:どっしりしておくと、後でママ自身がラク

以上、今回は、「どっしりママ」たちの言動から見えてきた、パパのピンチのときも落ち着いて乗り切るために必要な条件をご紹介しました。

一見、人一倍楽天的でのんきにも見える「どっしりママ」ですが、よく話してみると、常に夫の気持ちを考え、フォローし、将来のリスクともきちんと向き合っていることが伝わってきます。

もちろん夫婦関係はさまざまなので、ママがパパを頼りにしきっていて、収入面も将来もパパにお任せ、というケースもあるでしょう。

しかし前述したように、今の時代、どんな有能な働き者のパパにも、予期せぬトラブルが起こることはあり得ます。結局、パパだけを当てにしすぎず「何かあったら私が頑張る!」と覚悟して、備えておいた方が、ママ自身の負担がより少なく済むのではないでしょうか。

そもそも女性は男性より精神年齢が高く、しっかり者が多い傾向があります。家族の精神的な支柱がママになっていくのは、自然な流れなのかもしれません。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。