企業の終身雇用制度が崩れ、景気や社会情勢の先行きも不透明な今は、一家の稼ぎ頭であるパパの身に、いつ何が起こるかわからない時代です。

「夫が会社で所属していた部署が閉鎖されることになって、急に転職するハメに…」

「出産したとたん、夫の経営する会社がどんどん経営難に…」

「激務続きの夫が心身の調子を崩して、会社を辞めてしばらく休むことに…」

こんな話は、私の周囲でも決して珍しくありません。「こんなの想定外」「聞いてないよ!」というママたちの悲鳴も聞こえてきます。まだ何も起きてなくても「うちも将来、パパに何かあったらどうしよう」と不安がるママの声も…。

しかし中には、普段から特に不安がらず、実際にパパがピンチになっても大して動じず、「大丈夫、私が働きに出るから!」「身体を壊すくらいなら専業主夫になってもいいよ」と言い放つ頼もしいママもいます。

予期せぬトラブルに見舞われても、ママがそんなふうにどっしり落ちついていられたら、パパも早く立ち直れますし、子どもたちも動揺せずに済みますよね。

何があっても動じないママでいるために必要な条件とは?周囲の「どっしりママ」たちの言動から探ってみました。

1. 「いざとなったら私が稼ぐ!」という気概

日本では、まだまだ「男(夫)が稼ぐもの」という価値観が根強く残っています。そのため、パパが一時的にでも仕事を失ったり働けなくなったりすると、「男なんだからしっかりしてよ!」と夫を叱咤したくなるママも多いかもしれません。

しかし今の世の中で、リストラや会社の経営難などの憂き目に遭うパパたちは、決して怠けているわけでも頼りないわけでもありません。

それなのにママが「男なんだから」と収入面での責任を負わせようとすると、パパもつらいし夫婦仲も悪化しかねません。

その点、周囲の「どっしりママ」たちは、普段から「男が稼ぐもの」という古い価値観にあまり縛られていないようです。

「どっしりママ」の感覚では、家庭によってパパとママの役割は違うものの、責任は同じ。「パパが働けなくなったら、私が稼げばいい」という考えなので、何かあったときも動じず、家族のためにすぐに行動を起こせるのです。

たとえばワーママであれば、いざというときには転職したり働き方を見直したりすれば、収入を増やして一家の大黒柱になることは十分に可能でしょう。

一方、専業主婦の場合は、夫がリストラされたからといって急に職探しをしても、再就職できる保証はありません。しかし、職種にこだわらずパートやバイトの仕事を見つければ、何とか最低限の生活費を稼ぐことはできるはずです。

ちなみに、私の知人の専業主婦、Aさんは、常々、パパに「もしアナタが会社をクビになったら、私がバーを始めるから大丈夫!」と言っているそう。

といっても、Aさんは、仕事を辞めてから10年以上のブランクがありますし、Aさん自身、バーを開業するというプランが簡単にうまくいくとは思っていません。

それでもあえて口にするのは、家族を養うため、プレッシャーを抱えながら働いているパパの気持ちを軽くするためなのだとか。

また、冗談めかして明るく口に出すことで、自分自身も「それも楽しいかも」と前向きで楽天的な気持ちになれるといいます。

「いざとなったら私が稼ぐ」という言葉は、いわば「失敗しても責めたりしない。ピンチのときは私が全力で助けるからね」というメッセージ。ママからそんなメッセージがあれば、パパも安心して仕事に打ち込めますよね。

2.実際に「稼ぐ」ための準備やリサーチ

また、いざというときに備えて、より具体的にビジョンを描き、行動しているママもいます。

大企業に勤めるサラリーマンの夫を持つBさんは、現状では夫の稼ぎだけで十分にやっていけるのに、あえて月に何度か、結婚式場の配膳係のアルバイトをしているそうです。

表向きは、気晴らしとおこづかい稼ぎという名目ですが、実は「将来、パパに何かあったときも、とりあえずバイトを増やせば当面は何とかなる」という考えもあるのだとか。

たしかに、子育てをしながら細々とでもパートやバイト、在宅ワークなどをしておくと、「私も稼げる!」というママの自信につながります。

実際に行動を起こすのは難しい専業ママも、パパが働けなくなったときに自分ができそうな仕事や副業について、ときどき考えたり、インターネットや図書館でリサーチしたりしておくといいのではないでしょうか。

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