名作曲家が自作『ジーザス・クライスト・スーパースター』にかける想い

2012.12.12 18:16配信
『ジーザス・クライスト・スーパースター』Photo: Tristram Kenton

全世界で繰り返し上演され人気を博してきた傑作ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』の21世紀版公演の模様を完全収録した映像が15日(土)から上映される。本作の作曲を手がけたのは、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られる作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー。彼はなぜ、世界中の芝居小屋で人気を博してきたステージを巨大なアリーナで上演しようとしたのだろうか?

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本作は、イエス・キリストを裏切ったことで知られるイスカリオテのユダの目を通して、イエスが磔刑に処されるまでを描いたロック・オペラ。1971年に初演され、ブロードウェイでのロングラン公演、全世界42か国でのプロ劇団による上演など通して、現在も傑作として愛され続けている。彼はそんな演目をロックコンサートが開催されるようなアリーナで上演することにこだわった。「本作は、はじめからロックアルバムとして書かれたんだ。最初にこのアルバムが血肉を得た場所はアメリカのロック・アリーナで、だからイギリスでも元々思い描いていたやり方でもう一度見せたいと思ったんだ」。

本公演は作品を“本来の姿”で描くために、あえて演劇的な伝統や慣習は退けられた。テレビで公開オーディションを行い、普通のオーディションでは出会えない新しい才能を発掘。スタッフに指名されたのは、オリンピックの開会式や女王の即位60周年記念コンサートを手がけた職人たちだ。「我々は、劇場版ではなくアリーナ版をふさわしいやり方で実現できるか検討したから、照明とステージ・デザイナーにはこれまでとまったく違った技術を求めていたんだ。1500席ぽっちの劇場に収まるようなものはいらなかった。巨大な空間に“生命の息吹”を与えるものでなけりゃならなかったから、例えばオリンピック・アリーナのような場所の生かし方に精通している人材を探す必要があったんだ」。

ウェバーは本作の執筆当時を振り返り「今はもうこんなふうには書けないよ。すべては実験だった。まだ子供だった私が、ただ自分の聞きたいものを世に出してみたくて、それがどんな響き方をするのか知りたかっただけでね。すぐに忘れ去られたとしても何の不思議もなかったんだ」と語る。名作の“あるべき姿”にして、これまでの舞台/ミュージカル界では決して観ることができなかった『ジーザス・クライスト・スーパースター』がこの冬、映画館に登場する。

『ジーザス・クライスト・スーパースター』
12月15日(土)から12月20日(木) TOHOシネマズ スカラ座にて期間限定ロードショー

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