日の丸構図を回避するだけで「こなれた」印象になる上、伝わるメッセージも異なってくる。

例えば、カフェに立ち寄ったとき、ライフログ的な意味合いでテーブルの上にあるマグカップを撮影したとしよう。マグカップを日の丸構図で撮ると宣伝写真のようになってしまうが、端に配置して店内風景を含ませれば、「カフェでくつろぐひととき」をおさめた写真に変わる。

構図は単に、写真の美しさを左右するだけではない。撮影した人が被写体をどう見ているか、どんなことを考えているかまで表れるのだ。

「同じ空を写した写真でも、空だけを写すのと、少しだけ風景を入れるのとでは、印象が違いますよね。自分が撮りたいと思った風景や場面を、どうフレームに収めるのかを考える。これが、自分らしい写真を撮る第一歩でしょう」

主役をはっきりさせることと、被写体をド真ん中に配置しないこと――ふたつの注意点を意識しながらも、テクニックに頼りすぎず、「自分は何を撮りたいのか?」「この写真で伝えたいことは何か?」などを考えるようにしたい。

おしゃれに撮るならスクエアサイズ!

NG (長方形サイズ)
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OK (スクエアサイズ)
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Facebookによる巨額な買収でも話題になった、スマートフォンの写真共有アプリ『Instagram』。その人気の理由のひとつに、撮った写真がスクエア(正方形)になる点にあると、黒田さんは指摘する。

「スクエアは写真もかわいく見えるし、通常サイズに比べて小さいため、スクエアだと自然と主役が引き立った写真になるのです」

最近では、スクエアサイズで撮影できるスクエアモード機能を備えたデジタルカメラも多い。また、アートフィルター機能を搭載したカメラなら、撮った写真を『Instagram』のように加工することも可能だ。

「被写体を中心からズラして、スクエアサイズで撮ると、おしゃれな雰囲気のある写真になるはずです」

通常サイズに飽きたら、スクエアサイズの写真にも挑戦してみよう。