先だっての総選挙でも、忌憚ない気鋭のジャーナリストぶりを発揮してくれた池上彰さん。他のキャスターとはひと味違った、鋭い語り口は前回総選挙に続いて健在でした。 そんな池上さんが今度は日本という枠を超えた、地球規模のテーマに迫る番組がまもなく放送されます。

「食料危機」なんていう言葉を聞いて、身近で切実な問題としてピンと来る人がこの現代日本において、どれほどいるでしょうか。いくら昨今の不景気が騒がれようとも、グルメ情報は巷にあふれるばかり。日々の食事に危機が訪れる日が来るなんて、想像したこともない人がほとんどでしょう。

ですが、世界は今、間違いなく「食料不足」に瀕しています。
 

コメに代わるかも知れない21世紀の主食・キヌアって?

今、世界の人口に必要とされている穀物の量がどのくらいかご存じですか? 答えは12億6000万トン。そう言われても、家計は万単位、ダイエットはキロ単位、それ以上の数値はもはや天文学的数字にしか思えないくらいな日常生活を送る身には「それって、どんだけ?」かも知れませんね。

もう少し分かりやすく説明しましょう。 世界の穀物の総生産量は、そのほぼ2倍に当たる23億トンです。必要な量の倍も生産されているのに、なぜ食料不足?という疑問はごもっとも。ですが、地球上で生きているのは、人間だけではありません。

実はその穀物総生産量23億トンのうちの35%は、牛や豚などの飼料として消費されています。人間が食べている穀物は、47%に当たる10億8000万トン。穀物の総生産量は、世界の人口の食料相当分としては微妙に(と言っても、約2億トンも)不足しているのです。

日に3食の食事で、丼に盛った白いご飯だけを食べている人はまずいないはず。おかずとして、牛や豚の肉も食べるでしょう。その肉を生産するためには、飼料が必要。そう考えると、現代人の食生活にとって必要な穀物の量は、圧倒的に不足していると言えるのです。
 

キヌアを試食するプロレスラー武藤敬司。
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そんな食料危機の状況を打破する、新たな穀物が秘かな注目を集めています。南アメリカ・アンデス原産の穀物・キヌアをご存じでしょうか。アメリカ航空宇宙局NASAでは、21世紀の主食と呼ばれている穀物です。

このキヌアが栄養価や栽培方法など、さまざまな点で食糧危機を救う要素があるというのです。しかも、日本でも栽培可能なことが最近の研究で分かりました。ということは、日本人の主食として当たり前だったコメに代わる穀物になる可能性も…!? そんなテーマを池上さんが楽しく、分かりやすく解説してくれる番組が『ヤンマースペシャル地球学校 池上彰の子どもに伝えたいチカラII』です。

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