『テッド』

まもなく幕を閉じる2012年。この1年、ハリウッドではどんな映画が話題を呼んだのか。そして、来る2013年はいったいどんな年になる!? 

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『ジョン・カーター』『トータル・リコール』『バトルシップ』など大型予算をかけた期待作が空振りに終わった2012年のハリウッド。一方で、控えめな予算で作られたオリジナルなアイデアを持つコメディが大ヒットして、業界を驚かせた。その代表は『テッド』。TVアニメ『ファミリー・ガイ』のクリエーター、セス・マクファーレンの長編映画監督デビュー作にあたるこの映画は、北米公開初週末に5410万ドルを売り上げ、『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』を抜き、R指定のオリジナルコメディ映画における最高記録を打ち立てた。これで大きく株を上げたマクファーレンは、2013年のアカデミー賞授賞式のホストに抜擢されている。

同じ週末に公開された男性ストリッパーのコメディドラマ『Magic Mike』も、たった700万ドルの予算で作られたにも関わらず全世界で1億6400万ドルを売り上げ、すでに続編の話も出ている状態。2013年もこんなふうに低予算映画が不意打ちヒットをして楽しませてくれるのだろうか。

また、あいかわらずCGを多用したアメコミ映画が立て込む反面、来年は往年のアクションスターが大暴れしそうな気配も感じさせる。『エクスペンダブルズ』にカメオ出演して久々にスクリーンに姿を現していたアーノルド・シュワルツェネッガーは、『ラストスタンド』『ザ・トゥーム』の2作品に主演し、本格的に復帰。『ザ・トゥーム』で共演するのはシルヴェスター・スタローンだ。そのスタローンにはこのほかに『バレット・トゥ・ザ・ヘッド(原題)』もある。またブルース・ウィリスにも『ダイ・ハード/ラスト・デイ』『G.I.ジョー バック2リベンジ』などが控えている。2013年は果たしておじさんたちの年になるかどうか!?

『ぴあ Movie Special 2012-2013』より 
文:猿渡由紀