『ゼロ・ダーク・サーティ』

米アカデミー受賞作『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督の最新作『ゼロ・ダーク・サーティ』の予告編映像が公開された。本作が描くのは世界中の多くの人がその事実を知っているビンラディン殺害の“真実”だ。

予告編

本作は、アメリカ同時多発テロ事件の首謀者とされるウサマ・ビン・ラディンの居場所を突き止め、追いつめ、殺害するCIAの隠密作戦の真実を、ひとりの若き分析官の女性の苦悩を主軸に描いた作品。ビグロー監督と、前作『ハート・ロッカー』でもタッグを組んだ脚本家マーク・ボールが、関係者たちへの取材を繰り返して制作した。

このほど公開された予告編では、ジェシカ・チャステイン演じる分析官のマヤが、ビンラディンを追い続ける過程が緊迫感のある映像で描かれる。見つからない手がかり、上層部からプレッシャー、極めて危険な地域に兵を投入することの恐れ、そして何よりも“自分のしていることは本当に正しいのか?”という気持ち。映像は彼女がターゲットを追いつめる過程を通して、自身も追いつめられていく様を映し出す。

予告編のナレーションで印象的なのは「彼女をかりたてたのは使命か? 執念か?」というフレーズ。『ハート・ロッカー』でも主人公の行動が使命感によるものか、戦争という状況によって生じた不測の変化によるものかが議論を呼んだが、本作も様々な議論を呼ぶ作品になりそうだ。

『ゼロ・ダーク・サーティ』

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