欧州でも人気の高級コンパクト、ミラーレス一眼には大きな伸びシロ

2012.12.25 20:10配信
ソニーヨーロッパ・DIマーケティングヨーロッパの安田考司ゼネラルマネジャー

欧州のデジタルカメラ市場は、ミラーレス一眼の普及がやや遅れているものの、高級コンパクトの人気が高まるなど、比較的高価なカメラの人気が高まっている。今年は2年に一度、ドイツ・ケルンで開かれる「フォトキナ」の年だったが、開催直前に35mmフルサイズの撮像素子を搭載したコンパクトデジタルカメラ「Cyber-shot DSC-RX1」やWi-Fi機能が充実したミラーレス一眼「α NEX-5R」などの製品を発表するなど、拡大市場に積極的に製品を投入したのがソニーだった。そこで、ソニーヨーロッパ・DIマーケティングヨーロッパの安田考司ゼネラルマネジャーに欧州のデジタルカメラ事情と同社の動向を聞いた。

●全体では縮小傾向だが、拡大基調のミラーレス一眼に大きな伸びしろ

金額ベースではデジタルカメラ全体として下降トレンドにある欧州のデジタルカメラ市場だが、一方で「レンズ交換式の市場は、日本と同じ拡大基調で推移している」と語るのは安田考司ゼネラルマネジャー。特にミラーレス一眼は「2010~12年の2年で、台数ベースで約2倍に拡大した」という期待の市場だ。しかし「欧州ではミラーレスの市場の拡大が少し遅く、レンズ交換型に占める割合がおよそ20%弱にとどまっている」という。現在、全世界でのミラーレス一眼構成比は23~25%程度には達しているが、欧州は普及がやや遅れている状況だ。

欧州でミラーレス一眼がなかなか普及しない理由を、安田ゼネラルマネジャーは「じっくり選ぶ消費者が多く、あまり飛びつくことがない。納得しないと買わない。アジアのように、『とりあえずこれを買って自慢したい』という層は少ない」と指摘する。逆に納得してもらえれば買ってもらえるので、「例えば『NEX』だと、一眼レフと同じ大きさのAPS-Cサイズのセンサが入っているから画質がいい、という説明をすると納得してもらいやすい。それでもわかりにくいということであれば、作例を見せてよさを理解してもらう」ことで、徐々にユーザーを拡大している。だからこそ「伸びしろは欧州が一番大きい」(安田ゼネラルマネジャー)として、同社も欧州市場での拡大に期待を寄せているのだ。

2012年は、フルサイズ一眼レフカメラの当たり年。キヤノン、ニコンに続き、ソニーもトランスルーセントミラー(半透過式ミラー)を搭載したフルサイズ一眼レフ「α99」を発売した。こうしたこともあって、「欧州では2100ユーロ以上の製品が拡大してきている」という。安田ゼネラルマネジャーは「当初、あまりパイは大きくないのでは、と思っていたが、しっかりとした商品を出せば、しっかりと買っていただける」として「需要があると認識している」と語った。

●スマートフォンではできない機能を備えれば伸びる

欧州でも「スマートフォン拡大の影響もあって、金額・台数の規模は縮小している」というコンパクトデジタルカメラ。一方、「トラベルカメラと呼んでいる高倍率ズーム搭載のコンパクトと、『Cyber-shot DSC-RX100』などに代表されるセンササイズが大きいプレミアムコンパクトの分野は逆に拡大してきている」ようだ。

安田ゼネラルマネジャーは「スマートフォンでもまかなえる程度の機能しかないカメラであれば、だんだん食われていくだろう。逆に、スマートフォンではカバーできない高倍率だとか、画質にこだわった製品は拡大している。この分野に一層力を入れていきたい。もちろん、商品開発もそれに沿って行っている」と、今後も高級路線を拡大していく方針を示した。

特に高級コンパクトブームの火つけ役になった1インチと大きな撮像素子を搭載した「RX100」は欧州でも好評で、「専門誌から高い評価を受けている。お客さまからも、『こんなカメラが欲しかった』など、さまざまな歓迎の声をもらっている」という。さらに、フルサイズの撮像素子を採用した破格のコンパクトカメラ「RX1」については、日本円で24万8000円(ソニーストア価格)もする高額なカメラにもかかわらず、「販売店の反響は非常にいい」という。「『こうした商品を待っていた』という声もあった。ドイツに高額ブランドのライカがあるためか、欧州の販売店からは値段についてはあまり言われない。説明して、納得して買っていただけるのであればそれでいいようだ」と、非常に歓迎されている様子だ。

徐々に欧州でも認められつつあるミラーレス一眼に加え、撮像素子の大きな高級コンパクトカメラ。2013年、日本と同じように、このカテゴリは欧州でも大きく伸びることになりそうだ。(道越一郎)

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