作・演出の伊藤靖朗(前列左端)とキャスト一同 作・演出の伊藤靖朗(前列左端)とキャスト一同

昨年6月に初演され、好評を博した作品の2017年度版である『「ポセイドンの牙」Version蛤』が10月13日(金)に東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。

舞台「ポセイドンの牙」Version蛤 チケット情報

本作は、とある水産高校に通う陽気なバカ男子高校生5人組・スイサンズが、財政難に陥った母校を防衛人材育成高校(男子校)にしないために奮闘する姿を描く。市に伝わるという伝説の“黄金の釣針”を探しにいったスイサンズは、道中、海の神であるポセイドンと出会い……。社会風刺の要素も含んだ、地に足の着いた日常パートと、幻想的な神話世界での物語が、異才・伊藤靖朗の手がける美しい演出によって見事に融合した作品だ。

終演後の囲み取材で、主演を務める前田航基は「お客様にも、僕達のメッセージやエネルギーをしっかり持って帰っていただけるように頑張りたい」と意気込むと、ポセイドン役の岡田達也は「テーマは非常にしっかりとしていて、重たいものが根底にながれている作品ではあるが、我々がやっているものはエンタテインメントなので、楽しくこの芝居を見ていただければと思う」と観客にメッセージをおくった。

司会から初演と再演の違いについて問われると、初演から続投する原嶋元久は、「キャストが大きく変わっているので、作品に流れる空気感も違ってきている」と、“パラレルワールド”のような感覚だと表現。作・演出を手がける伊藤は、「2016年の初演時から1年も経たないうちに、我々は“戦前”というものの中につっこみつつある」ことに危機感を覚えたとし、「全体のかたちはそんなに変わっていないが、より一層この作品自体がお客様のほうに一歩進んでいくということを選んだ」と、違いについてアピールした。

難しい題材を扱ってはいるものの、スイサンズメンバーのエネルギッシュさのおかげか、爽やかな印象を与える本作。現代の寓話として、幾通りもの楽しみ方ができるはず。

公演は、10月21日(土)まで東京・紀伊國屋ホールにて。チケット発売中。当日引換券は、公演日の前日23:59まで取扱い。

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