あの原作をあの監督が手掛ける!小説原作の注目映画

故・若松孝二、石井裕也、黒沢清、青山真治、大森立嗣など、作家性の強い名監督たちが、原作にどうアプローチをしたのかにも注目。

 

(C)若松プロダクション
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千年の愉楽』3月9日公開

巨匠・若松孝二が最期に遺した壮大な命の叙事詩!

今年10月17日、交通事故によって逝去した若松孝二監督が、盟友・中上健次の代表作を映画化した人間ドラマ。和歌山県・紀州の集落“路地”を舞台に、女たちに圧倒的な“愉楽”を与える血筋の美しい男たちの物語を、路地の産婆の視点と回想で描く。神話的で複雑な構成で、匂い立つような命の賛歌を謳い上げた若松監督。その壮大なる最期の叙事詩を見届けたい。

 

(C)2013「舟を編む」製作委員会
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 舟を編む』4月13日(土)公開

人気小説を基に“ことば”と格闘する人々を描く

2012年の本屋大賞を受賞し、ベストセラーにもなった三浦しをんの同名小説を、『川の底からこんにちは』などの作品で注目を集める新鋭・石井裕也監督が映画化。松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョーらの出演で、ある出版社を舞台に、ベテラン編集者や、老学者、辞書に興味を持ち始めたチャラ男など様々な人々が、辞書の編集に励む姿を描いていく。

 

 

(C)2013『リアル~完全なる首長竜の日~』製作委員会
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リアル~完全なる首長竜の日~』初夏公開

“意識”の世界で展開される息もつかせぬミステリー

“このミステリーがすごい!”大賞を受賞した小説を、『回路』『アカルイミライ』の黒沢清監督が佐藤健と綾瀬はるかを主演に迎えて映画化。昏睡患者と意思疎通ができる“センシン
グ”を通じて自ら命を絶とうとした女性とその恋人が交流する様と、背後に隠されていた真実を描く。現実と仮想の境界が曖昧になっていく展開から目が離せなくなる。

共喰い』夏公開

血と性を描いた田中慎弥の原作を青山真治が映画化!

第146回芥川賞の受賞会見が衝撃的だった作家・田中慎弥の同名受賞作を、『サッド ヴァケイション』の青山真治監督が実写映画化。川辺の街で暮らす高校生の少年が、セックスに暴力的な父親の習性を受け継いだことを自覚して苦悩する姿を描く。主人公を演じる若手俳優の菅田将暉を始め、濃厚な血と性のドラマを彩るキャスト陣の熱演に期待が高まる。



さよなら渓谷』2013年公開

絶望した男女がもう一度、希望を取り戻せるのか? 難役に真木よう子が挑む!

芥川賞作家・吉田修一の同名小説の映画化。幼児殺害事件をきっかけに暴かれた15年前のレイプ事件。どこにでもいそうな夫婦がその被害者と加害者だった……。男女の極限の愛を問う本作は、人間の性に迫った衝撃の物語。憎愛に揺れる女性を官能的かつ大胆な演技で真木よう子が体現する。メガホンを取るのは、映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が第60回ベルリン国際映画祭で上映されるなど、海外からも注目されている大森立嗣。実弟・大森南朋が、夫婦の秘密を明らかにする週刊誌記者に扮する。