(左から)勝地涼、森山未來、小栗旬、早乙女太一

何ともふてぶてしくワルそうな4人の男たちが居並ぶさまは壮観。小栗旬、森山未來に早乙女太一、勝地涼。彼らが共演を果たし、所狭しと舞台上を駆け巡った劇団☆新感線の人気公演を18台ものカメラで捉えたゲキ×シネ版『髑髏城の七人』がまもなく公開を迎える。舞台の終演から1年余りを経て4人が再集結し改めて本作について語ってくれた。

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主人公・捨之介を演じた小栗は「新感線」の舞台出演は今回が初めて。1990年の初演以来、捨之介と彼が対峙する天魔王の役は一人二役で演じられてきたが今回は森山と役を分け合うことになった。過去3度にわたって捨之介を演じてきた“先輩”古田新太からは「森山、早乙女と一緒にやるのは大変だろうが頑張れ」と言われたというが「こういうメンバーだったからこそ刺激的でした」と振り返る。いや、刺激以上のものを受けたようで「太一は本当に殺陣が上手ですし、未來はすごく動ける。そこに関しては悔しい思い、『ちくしょう、できねぇ自分にムカつく』という思いもありましたよ」と素直な胸の内を明かす。

名だたる演出家の下で数多くの舞台を踏んできた小栗をして、その殺陣の美しさを「悔しい」と言わしめた早乙女。普段は大衆演劇を主戦場とする彼もまた「正直、刺激を受け過ぎてダメージを受けるくらいでした」と単なる刺激を超えた衝撃を明かす。「自分の引き出しでは追いつけないほどのところに入り込んでいろんなことを考えたり見つけたり、とにかくいろんな発見がありました」と静かに、しかし強い意志を感じさせる声でそう語る。

森山はその早乙女演じる蘭兵衛を殺陣で圧倒することが求められた。早乙女の「剣に役の感情をどれだけ乗せて表せるかを意識しながら演じた」という言葉にうなずきつつ「難しかったですね。太一はその言葉通り、刀で感情や言葉を投げてくるので、そこで剣でちゃんと会話を交わさないといけないというのを意識するのも初めてでした」と振り返る。

どこか道化っぽくありつつも男気に満ちた兵庫を演じた勝地。芝居を離れてもムードメーカーだったようでこの日も周囲からあれこれイジられながらおどけていたが、10代のときに生で見た『髑髏城の七人」への思いは人一倍強いものが。「男の子の心をくすぐるものがありましたね。芝居うんぬんよりとにかくカッコよくて『いつかやってみたいな』と思ってた」と感慨深げに語っていた。

『髑髏城の七人』

取材・文・写真:黒豆直樹

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