DEZERT・Sacchan(B)/(撮影・さわきみのり)

そしてアンコールにこたえて再びステージに登場。「座ってアンコールしやがって」と千秋が毒づく。

そしてこの日配布されたバラード『「おやすみ」』を披露。ミラーボールが会場全体を照らす中、包容力すら感じさせるようなバラードを説得力を持って届けることのできるバンドになるとは……。

「5文字だけ言わせてください、よくぞきた」と千秋。拍手で応えるオーディエンス。「2017年……千秋を救うツアー、2月から始まって今日でファイナルなんですけど。寂しいねえ”ファイナル”って。楽屋でずっと寂しいって言ってて、いてもたってもいられんかった」と語る。”かわいい!”という声に対して「ハァ?」と反応。

しばらくとりとめない話をしたあとに「ファイナルってやなんで、どっかでライブをやると思うんでね。死なずに、生きていればまた会えると思います。どうも、DEZERTでした」という言葉に、会場は拍手に包まれた。

DEZERT・SORA(Dr)/(撮影・さわきみのり)

千秋いわく、DEZERTはあることに悟ったという。

「バンドに限らず、ステージに立つ人は「人を増やしたい」って思うのね。特典つけてみたり、タダにしてみたり、安くしてみたり。なんで人いっぱいでライブしないといけないんだろう。俺ら池袋ブラックホールから始まって、まあまあ狭い箱で、ここはまあまあ広いじゃん? 今日ライブしてて、広いからって何も思わないわけよ、僕はね。ってなったときに、狭いところでライブしたいし、なんばハッチやここでもライブしたいと思ったり……。僕は何を言ってるんだろう。……だからもうどこでもよくて、どうでもよくて、何が言いたいかというと、ライブを楽しもう。僕らは僕らのリズムでやっていくので、皆さんもよかったら時々そのリズムにのっていってください。そしたらまた出会えることでしょう」

DEZERT/(撮影・さわきみのり)

“リズム”にちなんでか、ここぞとばかりにドラミングを始めるSORA、続いてMiyakoがギターを奏で始める。そしてSacchanが演歌調のメロディーでオチをつけると「そうやってまた人に媚びる」と千秋。最終的に全員でステージでジャンプするという一幕も。

「もう少し、遊んで帰りましょうか」と『肋骨少女』を歌い上げ、『脳みそくん』でフロアを再燃させる。

『「遺書。」』では「言い訳を積み重ねて生きてきました、それもいいけどね」と「後ろ」にはSORA、そして「左右」にはMiyakoとScchanがいると語り、「言い訳ばっかの僕ですけど、もう言い訳なんて、しません。するならライブハウスでしよう。ついて来れるか? 俺について来れるかお前らもだぞ!」そして千秋はこう続ける。

「君たちのことは別に誇りだとは思ってないけど、俺たちが出会った中で一番変わった人たちだと思っています。だってこんなバンド好きだもんね。”普通”じゃないまま、死んでいこうな?」呼応するようにヘドバンでこたえるオーディエンス。

「ひとつになれるか! 全部おいてけよクソ野郎ども!」と始まった『 「切断」』 は、これまで聴いたどの『 「切断」』 よりも強い意思を感じた。

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