左から、佐々木喜英、高橋一生、椎名桔平、田中麗奈、岡田浩暉、中村 中 左から、佐々木喜英、高橋一生、椎名桔平、田中麗奈、岡田浩暉、中村 中

椎名桔平が主演する舞台『教授』の制作発表が1月8日、都内にて行われた。登壇者は椎名のほか共演の田中麗奈、高橋一生、岡田浩暉、佐々木喜英、演出の鈴木勝秀、そして劇中で狂言回しとして昭和の名曲の数々を歌う中村 中。

『教授』チケット情報

作品は、これまで『レインマン』『異人たちの夏』など数々の話題舞台を作ってきた、主演=椎名桔平、演出=鈴木勝秀のコンビが3年ぶりにタッグを組むもの。今までは映画や小説の舞台化という形をとっていたが、今回は初めてのオリジナル作品となる。物語の下敷きになるのは五木寛之のエッセイ『わが人生の歌がたり』。1960年から70年初頭、高度経済成長をとげ経済大国へかけあがる一方で、安保闘争や労働争議などが社会問題となっていた時代の日本が舞台。その中で世情とは関係なく自分の研究に没頭し、時代との接点は流行歌を愛していることだけ…という教授(椎名)と、60年安保闘争で機動隊に追われ、教授の研究室に飛び込んできた女学生(田中)の出会いから別れを描く。

会見で椎名は「前回の舞台が終わった直後から3年、やりたい舞台の話を鈴木さんと重ねてきた。今回、五木先生のエッセイをベースに、自分たちがやりたかったことがやれることになり本当に嬉しく思っています。IPS細胞の山中教授に負けないような教授像を作りたい」と意気込みを話した。また構成・演出を手がける鈴木は「社会の動きとはまったく関係なく生きていく人間を通し、鏡となって時代を映しこめていければとイメージしています。それが結果的に現代の日本社会の問題点、経済がすべての人間活動の中心ではない、ということを浮き彫りにしていくと思う。そして教授と田中さん演じる女性とのプラトニック・ラブも大きなテーマにしています」と作品を解説した。

劇中では昭和の名曲が7~9曲ほど歌われる予定。これに加え、五木寛之が作詞をし、中村が作曲をした新曲「グッバイ・Love Song」がテーマソングとして登場する。会見でその曲を初披露した中村は「今、歌を作るとなるとデータのやり取りになり、人の温もりが感じられなかったりしますが、五木さんとは何度もお会いして、心を込めて作りました」と自信のコメント。さらに本番では、中村をナビゲーターに、中尾ミエ、由紀さおり、加藤登紀子ら時代を駆け抜けたシンガーから、元ちとせ、一青 窈、山崎育三郎ほか、その時代に思いを馳せるシンガーまでが日替わりで登場、アフターライブ「昭和歌謡クロニクル」が毎日開催される。こちらも併せて楽しみたい。

なお、公演の正式タイトルは『教授~流行歌の時代を、独自の価値観で生きた歌好きの免疫学教授、そして観念的な恋愛に己を捧げた助手~』。公演は2月7日(木)から24日(日)にかけて東京・シアターコクーンにて上演。その後、地方公演も予定している。チケットは発売中。