(左から)勝地涼、森山未來、小栗旬、早乙女太一

小栗旬、森山未來、早乙女太一、勝地涼が共演を果たした『髑髏城の七人』。全68回の舞台をこなした4人がゲキ×シネ版『髑髏城の七人』の公開を前にインタビューに応じた。

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1回の公演での運動量の多さもさることながら、それを1日2回公演の日も含め毎日のようにこなしていくのは尋常ではない。勝地は「アカマムシにスッポンに…」と日替わりで摂取していたという精力剤を列挙。「週9公演はムチャクチャだと思いながらやってました。あれは…二度とやりたくない(苦笑)」という小栗の言葉は決して大げさな嘆きには聞こえない。

この4人をはじめ、過去の再演と比べても若手俳優陣を積極的に起用しているからこそ可能だったとも言えるが、森山はこのメンバーだったからこその“強み”についてこう語る。「この若いキャストだからこそのエネルギーで、多少の粗があってもエネルギーで押しでいく。僕らにあるのは勢いと若さなので、作品的にも役的にも収まりのいいものにはしたくはないという思いがありました」。俗に“八百屋”と言われる水平ではなく傾斜となった舞台装置で「真っ直ぐに立ってるだけでも常にひざと腰に負担がかかってくるので、常に意識をしていました」と苦労を明かしつつも「結局、稽古場でのフラストレーションがあっても、舞台に立つことで消化されちゃうんですよね。(舞台上は)自分の居場所なんだなって」と漏らす森山の表情は頼もしい。

ちなみに早乙女は本作で蘭兵衛役に加え、物語の冒頭で村を襲う賊のひとりに扮してほんのワンシーンだけ登場しており、ゲキ×シネ版でも一瞬ながら映し出されるその衝撃的な姿は隠れた見どころのひとつ。「太一は多分、自分だと気づかれたくないと思うけど(笑)」(森山)、「まゆ毛が繋がってヒゲつけて『これは本気で誰にも気づかれたくないっす』って言ってた(笑)」(小栗)という先輩たちの言葉に「本番前の気合い入れのとき、みんなばっちりカッコイイ衣裳なのにおれだけ半ズボンにヒゲでハゲ散らかしてて…1回たりとも気合いは入らなかったですね」と苦笑。それでも演劇界の未来を背負う21歳の天才は「これからも僕はどんな役でもやりたいです」と力強くうなずく。即座に3人から「嫌がってたじゃねーか!」と突っ込まれてはいたが…。

そんな仲の良い兄弟のような空気をまとめるかのように小栗がポツリと漏らす。「なかなか難しいだろうけど、機会があればまたこのメンバーで共演したいね」。7年後? いや願わくばもっと近い未来、彼らが再び同じ舞台で交錯するさまを見せてほしい。

取材・文・写真:黒豆直樹