『LOOPER/ルーパー』に出演したジョセフ・ゴードン=レヴィット(C)2012 LOOPER DISTRIBUTION. LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスが共演するSF大作『LOOPER/ルーパー』が12日(土)から公開される。本作は『BRICK〈ブリック〉』でタッグを組んだライアン・ジョンソン監督とレヴィットが約10年の歳月を経て完成させた作品だ。そこでレヴィットに作品の魅力や自身のキャリアについて国際電話をつないで語ってもらった。

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本作は、未来からタイムループしてきた標的を抹殺する暗殺者“ルーパー”のジョー(レヴィット)が、ターゲットとして“30年後”の自分(ウィリス)に出会ったことから始まるSFアクションだ。ジョンソン監督を「親友と呼べる存在」というレヴィットは、この10年で俳優として一気に頭角を現し、自身の監督作まで手がけるようになった。しかし彼は「ライアンの映画作家としての力は、クリストファー・ノーランと同じで、アクション大作であっても、キャラクター、物語、演技を優先順位として高く置いていることだ。スタントやVFXがどんなに素晴らしくても、キャラクターのことを思えなければ作品自体がいいとは思えないし、観客も同じことを感じるだろうということを彼はよく理解しているんだ」と讃える。

そんな彼が本作で演じたのはウィリスと“ふたり一役”だ。そこでレヴィットは特殊メイクを施し、ウィリスの出演作を徹底的に研究した。「ブルース・ウィリスはスクリーン上であれだけパワフルで存在感があるから、しゃべり方や表現も大きいんじゃないか、大声なんじゃないかというイメージがあると思うが、実際に彼の声をリサーチしていくと、そんなに実は大声で話したりしていないということを発見したんだ。とてもやわらかい語り口で、でもその言葉にパワーがあるから、見ている人が強い印象を抱くんだと、そのパワーというのは彼が内に秘めているものなんだと思い、自分なりに模倣しようとしたよ」。

映画はそんなレヴィットとウィリス演じる“ふたりのジョー”が時を超えて出会い、事件の背後に潜む謎が次々に明かされていきながら、ついには“憎しみの連鎖はいかにして起こるのか?/いかにして止めることができるのか?”という壮大な主題が姿を現す。「僕が好きなのは楽しいだけじゃなく、何かを考えさせる映画だ。『インセプション』の時も“複雑で大変だろう”とよく言われたよ。観客が混乱するんじゃないか?とね。でも観客だってものを考えたいし、いつも同じものばかり観たくはないだろう? ライアンとノーランが作る映画には特徴がある。それは、観客に考えさせるが見下したりはせず敬意を払う、ということだよ」。

本作は目まぐるしく展開されるアクションや主人公ふたりの駆け引きも大きな魅力だ。しかし、すべて観終わるとレヴィットが語る通り、じっくりと考えさせられる作品でもある。本作が描き出すドラマと、その奥に潜む壮大なテーマを時間をかけてじっくりと堪能してほしい。

『LOOPER/ルーパー』
1月12日(土)公開