杉山すぴ豊氏

2012年のアメコミ映画を総括した前編に続き、『ゴーストライダー2』を始めとする2013年の注目作について引き続きアメコミの第一人者、杉山すぴ豊氏に話を聞いた。

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2013年、アメコミ映画は2月8日公開の『ゴーストライダー2』から始まる。そのゴーストライダーが、マーベルヒーローたちが勢揃いした『アベンジャーズ』に入れなかったのは、なぜか?「彼は単純に正義の味方ではなく、罪を犯している人間の魂を食い尽くす。他のヒーローたちと一緒という設定は成り立ちません。と言うのも、たいていのヒーローは何らかの罪を犯しているものだし、過去が血に汚れていたりします。そんなヒーローはゴーストライダーがやってきた瞬間に全員殺されちゃいますから」。さらに「誰と戦うのかという点でも違ってきますね。他のヒーローがエイリアンと戦っている時に、ゴーストライダーはそんなことにはお構いなしにひとりでニューヨークのコソ泥と戦っていそうな感じ」。

そんな『ゴーストライダー2』の見どころは、「ヒーローというよりモンスターとして描かれている点。ニコラス・ケイジの変身のシーンにも変化があって、自分の中の“悪魔”を押さえつけようとして、キレながら葛藤しているところが面白い。彼のキレっぷりに注目です。前作はアメコミを大作っぽく作ろうとする当時の風潮もあって、いい作品だけど遠慮みたいなものがあったと思います。が、そもそも、“革ジャンを着てバイクに乗った燃えるドクロ”なんていうめちゃくちゃな設定ですから、もっと暴れてもいいわけです。今回はそこを割り切って作っています」と語る。

ケイジと言えば、アメコミの大ファンとして知られている。そんな彼に今後アメコミ映画で演じてほしい役は「ゴーストライダーがはまり役なのでそれを超えることはなかなか難しいとは思いますが、昔ティム・バートンがケイジでスーパーマンを撮るという話があって、ファンとしては見たかったですね(笑)。あと、悪役が面白いのでは?アメコミの悪役は狂気とユーモアの両方ある人が向いていると思う」と期待を寄せた。

『ゴーストライダー2』に続く2013年のアメコミ映画は、「『ゴーストライダー2』でバレンタインデーに初デート、GWに『アイアンマン3』、夏に『マン・オブ・スティール』とデートを重ね、秋には『ウルヴァリン:SAMURAI』でプロポーズというアメコミファンの人生設計が可能な1年です(笑)。恋人たちにとっても、鍵となるのがこの『ゴーストライダー2』ですね。後味は悪くないし、ツッコミどころもあるのでアクション好きには特にお勧め。まさにいいポップコーンムービー。それに冬に燃えている映画は暖かそう。夏に公開されなかったのはきっとこのせいですね」。

『ゴーストライダー2』
2月8日(金)丸の内ピカデリー他全国ロードショー