■訪問される側のメリットとは

訪問する側のメリットはいろいろありましたが「訪問される側のメリットは?」と考えると、あまり無いような…と思えてしまいます。そこで、偶然にも茶会人登録者で、学生さんからの訪問経験がある知り合いの編集者がいましたので、「茶会人訪問」の感想や訪問される側のメリットを聞いてきました。

Q:何人くらいから訪問を受けましたか?
A:就職活動の時期になると、訪問依頼が数件来ます。昨年登録してから、今までで5人ほどから訪問を受けました。今年も年明けに早速依頼が来ました。母校以外の方ばかりでしたが、私の母校にマスコミ志望者が少ないからかもしれません。私が東京在住のため、関東地方の学生さんによる訪問が多いですが、中には名古屋から来られた方もいました。

Q:学生さんからはどんな質問を?
A:「電子書籍の今後について」といった業界の最新事情や、「編集」と「記者」の仕事の区別がつかない方もいますので、編集者自体がそもそもどんな仕事をするのか、という質問もありました。また、仕事の忙しさや、ピンポイントに私の勤務する会社のことなどを深く聞いてくる方もいましたね。編集者でOB訪問を受け付けている人が比較的少ないせいか、事前に集められる情報が少ないようで、そこを補足するべく、熱心に質問される方ばかりでした。

Q:訪問を受ける側のメリットとはなんでしょう?
A:自ら作っているもの(私の場合「書籍」)を手にとってくれるユーザーの声が、深く、直接聞ける点ではないかと思います。私の場合、学生さんが読者になる本を作っていても、普段の生活でなかなか学生さんに会う機会はありません。しかしOB訪問ですと、学生さんと一対一でしっかり話せるチャンスですので、自然と密度の高いユーザーインタビューにもなります。どんな書籍を読んでいるのか、スマホをどうやって使っているのかなど、深く聞き出せるわけです。訪問する側にとっても、受ける側にとっても、新鮮な情報を得られる貴重な機会になっていると思います。


社会人としての経験や知識を一方的に伝えるだけではなく、正しい意味で「意識の高い」学生さんの視点から、自分が手がけている仕事についてのナマの情報や率直な意見を得ることができるわけですね。学生時代と比べて時間の制約が多い社会人にとっても、学生さんの話へ耳を傾ける時間は、貴重な情報源となりそうです。

ギブアンドテイクの精神で、学生さんのOB・OG訪問を受けてみると、仕事に役立つ発見が見つかるかもしれませんね。

【関連リンク】
「茶会人訪問」Facebookアプリページ
ゼロベース株式会社
石橋秀仁さんのブログエントリー「なぜ就活生はOB/OG訪問すべきか:なぜ「茶会人訪問」を開発したか」

つねやまごう:1978年モデルの物書き・コピーライター・Web編集者。大学時代は古文書と絵巻物を読みつつ過ごし、卒業、就職、紆余曲折を経て、フリーランスに。趣味は猫の爪切りと帰宅です。ブログTumblr