ゴールデン・グローブ賞で生涯功労賞にあたるセシル・B・デミル賞を受賞したジョディ・フォスターの受賞スピーチが大きな話題を呼んでいる。誠意あふれるそのスピーチの中で、フォスターは初めて自分がレズビアンであることにも堂々と触れている。

プライベート面について公の場で語るのを避けてきたフォスターは、「これまで公には言いたくなかったことを言いたいという気持ちに駆られています」と切り出した。果たして何かとかまえる観客を前に、「私はシングルです」と言って場内を笑わせたが、その後ややシリアスになり、「私は“何千年”も前に、信頼する友達や家族に対してカミングアウトしています。でも、今や、セレブリティは自分の私生活を全部リアリティ番組でさらけ出さなければいけないのだと言われました」と続けた。「将来いつか人はふりかえって、プライバシーというものはなんて美しかったんだろうと思う日が来るでしょう」とプライバシーの重要さを主張しつつも、フォスターは、過去のパートナー、シドニー・バーナードに対する愛を公言。「シドニー・バーナードは私が最も深い愛を感じる相手のひとりで、一緒に子供を育てる親であり、姉妹みたいな存在」だとし、モダンな家族関係を築いていることを「誇りに思う」ともつけ加えた。

さらにフォスターは、ふたりの息子への愛も語り、母に対しても、「アイラブユー」と3度繰り返して語った。この誠実なスピーチには、出席したセレブリティたちも大感動。この授賞式最大の話題となった。

文:猿渡由紀