Booklapのようなサービスを求めていた

「あったらいいな」を皆で形にしたサービス

Booklapが生まれた大きな背景には、笠井さん自身が大の読書好きだったことがある。サービスを作るにいたった重要な動機となっている。「自分でもBooklapのようなサービスが欲しいと感じていました。長くサービスを運営し続けていく上で、自分が心から情熱を傾けられるものを選んだ結果、Booklapが自然と誕生したのです」と笠井さん。

以前笠井さんが作った「大学生向け講義ノート売買サービス」が、わずか2日間で終焉を迎えたという「悔しい記憶」も、Booklapの誕生を強く後押ししていた。講義ノートを生徒間でオンライン上で売買できるという、学生にとっては喉から手が出るほど欲しくなってしまいそうな内容だ。しかし、教授から著作権の問題があると指摘されたため、サービスはクローズを余儀なくされてしまった。

しかし、その苦い経験をもとに笠井さんは考えた。「みんなのノートのメモ書きを、オンラインで共有するという考えを書籍に応用させました。それがBooklapの原型がです。だから、当時の失敗は実になったと思っています」と微笑む。

共同創業者の池田知晶さんの経歴も、Booklapのサービス内容と強く結び付いている。池田さんは一昨年、自身の旅を綴った『ヒッチハイク女子』という本を徳間書店より出版した。彼女が持つ出版業界への見識と業界との強いコネクションを活かし、サービスのテーマを書籍に設定したのだとか。Booklapのコンセプトは、こんな3つのきっかけからできている。

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しかし、いくら自分の好きなものを形にするとはいえ、苦労話もあった。

「一番大変だったのは字数の異なるフレーズの見せ方。登録されるフレーズの多くは『名言』なので、すべてが表示されないと面白くありません。途中まで表示されていても、何のことか分かりませんよね。このサービス特有の問題を解決するのに苦戦しました」(笠井さん)

正式にサービスを開始する前に、先行してBooklapを使っていた人たちに、何度もヒアリングを重ねることでたくさんのフィードバックをもらい、最終的に今の形ができたという。