テーマは「2013年デジタル家電成長カテゴリ」

BCNは、1月16日、「2013年デジタル家電成長カテゴリ――年末商戦の動向からみたこれから伸びる製品群とは?」をテーマに記者発表会を開催した。全国の家電量販店、ネット販売店の実売データを集計した「BCNランキング」データをもとに、2012年年末のデジタル家電市場を分析するとともに、2013年の動向を予測した。

発表会の冒頭、道越一郎アナリストは「政権交代のあと、株価と為替が上昇し、2013年は上向きの期待がもてる。デジタル家電市場にとっては風向きはよくなっている」と今後の見通しを語った。

●年末のパソコン市場は2ケタ増、Windows 8搭載モデルが好調

デスクトップPC、ノートPC、タブレット端末を含むパソコン市場は、上向きの兆しがみえている。販売台数ベースでは、11月に前年同月比の120.7%を記録したほか、12月は111.8%と2か月続けて2ケタの伸びをみせた。

要因の一つに、新OSのWindows 8を搭載したパソコンの普及がある。発売後3週間で51.0%の台数シェアを取ったWindows Vista、発売後4週間で50.3%のシェアを取ったWindows 7の垂直立ち上げに比べるとスロースタートだったWindows 8だが、10月26日の発売から9週目で5割のシェアを突破し、年をまたいだ12月31日~2013年1月6日の週には65.6%に達した。

2月上旬には各社の新製品が発表され、その後続々と発売される。新生活需要に向けて、パソコン市場には弾みがついた。

●立て役者のタブレット端末は販売台数構成比で3割を突破

パソコン市場を底上げしたもう一つの要因が、タブレット端末の伸びだ。すべてのパソコンのなかに占めるタブレット端末の販売台数構成比は、11月に30.5%と初めて3割を超え、12月には32.0%に伸びた。

年末に向けてWindows 8搭載タブレット端末が発売されたほか、家電量販店では10月2日に発売されたASUS/GoogleのAndroid搭載7インチタブレット端末「Nexus 7」が、タブレット市場を盛り上げた。さらに「Nexus 7」は、「iPad超え」まで達成した。

タブレット端末といえば、これまでアップルの「iPad」シリーズが市場を独占していた。販売台数で、今年3月から4か月連続で6割を超えるシェアを獲得。常に市場の半分以上を占めていた。ところが「Nexus 7」が発売した10月は、39.6%までに落としている。

代わりに、9月まで1割以下だったASUSがシェアを伸ばしはじめ、10月36.5%、11月32.4%と好調に推移。12月には44.4%を獲得し、40.1%のアップルを抜いて1位に躍り出た。アップルがタブレット端末で他社に抜かれるのは、初めてのことだ。

道越アナリストは、「タブレット端末は秋口から非常に伸びている。パソコンの使い方のなかでも、情報消費型の用途に関してはタブレット端末やスマートフォンに分がある。これからは、パソコンならではの使い方・機能などを見直し、存在意義の再定義が必要になるだろう」と話した。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

・「Kindle」シリーズの除外について

「タブレット端末」に該当するAmazonの「Kindle Fire HD/Fire」は、現在、集計対象外となっております。何卒ご了承ください。詳しくはこちら。

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