つづいて『1999年のブルース』、「1999年にハルマゲドンが起こらなかった」歌だ。

ミド(B)のラップパート「“大人になるはずなんて無い”って信じてたんだ… そんな期待は てんで外れたけど でも泣いてないよ」に集約されているように、あの夏に世界がぶっ壊れることを期待していたのに、何もなかった。でもいつか”何か”がやってきて世界がひっくり返ることを願う歌。

えんそく・クラオカユウスケ(G)ミド(B)/(撮影・さわきみのり)

強く拳を掲げるぶうにスポットライトがあたる。『惡のミカタ』の冒頭のサビを歌い上げる。そこから一気に曲調がパンキッシュにになり、特攻の銀テープが飛び出す。楽器隊の「モーガン・フリーマン!」のパワーコーラスが勢い良く入る。意味がわからないけど、これがえんそくだ。

「俺たちがウシノシタ団こと、えんそくだ!」と宣言するぶう。「集まっちゃったね! 集まっちゃったね! えんそくなんてわけわかんないバンドのワンマンに! こんなにいっぱい! よく集まっちゃったな! 悲願の赤坂BLITZ、入りました~~!」早くもテンションマックスの様子。

えんそく・ぶう(Vo)/(撮影・さわきみのり)

「我々にとっては色々な意味があれど、色々な思い入れもある。だけど、そんな日だからこそまずは原点に立ち戻って、こう言いたい! 何を置いてもバカになんなきゃダメだ! 親や親戚に“アンタなんてとんでもないことしてるの?”って言われるような空間じゃないと、ヴィジュアル系じゃないだろ!」と、ぶう。フロアからは大きな歓声が沸き上がる。

「何はともあれ皆さんは限界突破して、脳のリミッターを解除して欲しい! なんで就職もしないでバンドやってんだろう俺たち、ガキみたいにバカやるためだよ! そのバカを観るために集まってきたんだろ? 観るだけじゃもったいない! 今日は一緒に皆さんのタガ、ぶっ壊していきませんか?」と1階フロアのみならず2階席の関係者まで煽りたおすぶう。その勢いで『とってもマッケンロー』になだれ込んでいく。

えんそく・ミド(B)/(撮影・さわきみのり)

息をつく暇もなくイントロからバンドとファンが一丸となってスクワットを行う『机上の空論実行部隊』、赤坂BLITZのフロアを周回する電車となりサークルモッシュ(サークルシュッシュ?)が壮観の『ゴードン』と、テンションと消費カロリーの高いナンバーが繰り出され、良い感じに酸素が薄くなって『ゴリラの丘』でさらに一体感が高まっていく。

えんそく・Joe(G)/(撮影・さわきみのり)

満足そうに「皆立派なゴリラだったよ……、汗だくの顔が一杯でうれしいです」とぶう。「“えんそくがですよ、赤坂BLITZをやるとかバカを言いなさんな!”と思っているヤツラがこの会場の外にいかほどいるか! まったく腹立たしい、でも今日はこんなに集まってくれて、もう最高のワンマンになりました!」

ぶう曰く、えんそくのライブは日常をぶっ壊すためにあるという。