後列左から:村井良大、古川雄大、大河元気 前列中央:玉野和紀 後列左から:村井良大、古川雄大、大河元気 前列中央:玉野和紀

黒木瞳が3月開幕の『私のダーリン』で7年ぶりに、自身の原点・ミュージカルに挑む。タッグを組むのは、エンターテインメント性豊かな舞台作りに定評ある玉野和紀。劇中、黒木演じるチャーミングな夢子の周りには、魅力的な男性たちがズラリ。その内、古川雄大、村井良大、大河元気の若手トリオ、そして作・演出・振付を手掛け、黒木の夫役を演じる玉野に話を聞いた。

『私のダーリン』チケット情報

人気上昇中の3人を前に玉野は、「僕の作品はいろんなことをやらされるから、これしかできませんって人だと難しい。なんでもできる若手が揃いました」と期待を寄せる。その言葉を受け、「なんでもやります。事務所NGはありません!」と、元気に口を揃える彼ら。「着ぐるみからパンイチ(パンツ一丁)までこなす所存でございます!」(大河)、「パンゼロでしょ?」(村井)、「舞台に上がれるギリギリは残そう(笑)」(大河)、「舞台上で坊主になるとか……あ、1回しかできないですけど(笑)」(古川)…と、早くも和気藹々と盛り上がる。

物語は、売れない小説家の夫(玉野)を便利屋を営んで支える夢子が、夫の書いた恋愛小説を読んでその世界に入り込み……というもの。

「現実と小説の両方の世界があるので、ほとんどのキャストは何役もやります。特に便利屋の従業員を演じるこの3人は一番いろんな格好をするだろうし。ま、お笑い担当かな(笑)」と玉野。「みんなカッコいいからこそ崩したくなるんですよ。彼らのシーンは書いてるだけで楽しいから、僕も混ざりたいぐらい(笑)。でも僕が演じる夫もそんなカッコよくはならないはず。『黒木さんがなんでコイツと!?』って方が絶対に面白いと思うんで」。

従業員役の3人は、取材の時点ではまだ黒木と顔を合わせておらず、「とにかく“大女優”というイメージ。緊張するだろうなあ」(大河)、「周りがすごい方ばかり。出演できるだけで幸せです」(古川)と表情が引き締まる。「黒木さんは自分に厳しい人。だからこそいい加減な人間には怒ることもしないで、“ノーセンキュー”って感じだと思うよ」という玉野の言葉に、「よし! ちゃんと会えるように、僕ら頑張ろう!」と、カンパニー中最年少の村井が頼もしく応えた。

これまでシアタークリエで上演された、玉野が手がけた作品4作は、全日程完売を記録している。「オリジナル・ミュージカルは蓋を開けてみないとわからないからすごく不安です。ただ僕は、自分が観てみたいものを作りたい。それが一番のベースだから、お客さん目線というのが強いのかも」と玉野。その言葉に、「(演出を)受ける側としても、玉野さんの演出はやっぱり面白い。だから役者もヘンな自信を持って(笑)舞台に上がれるんです」(大河)。誰もが楽しめる“玉野ブランド”。この最新作で、人気の秘密を確かめてみては?

公演は3月26日(火)から4月14日(日)に東京・シアタークリエにて。チケットは1月19日(土)に一般発売開始。その他地方公演もあり。

取材・文 武田吏都