トークショーに登壇した町山智浩氏

全米で興行収入2億ドル突破の大ヒットを記録したコメディ映画『テッド』が18日、全国135館(255スクリーン)で封切られ、公開3日間で興行収入約4億1000万円を記録した。命が宿ったテディベアと、大人になりきれない中年男の奇妙な友情を描くコメディ映画が、日本でも大ヒットを予感させるスタートダッシュを見せた。

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映画の主人公は幼い頃からの友情を、中年になっても守り続ける主人公のジョン(マーク・ウォールバーグ)とテディベアのテッド。しかし、恋人から「私とテッド、どっちが大事なの?」と迫られたジョンは、テッドとの別れを決意。テッドも自立を目指し、就職活動に精を出すが…。

19日には東京・TOHOシネマズ渋谷で、字幕を監修した映画評論家の町山智浩氏がトークショーを実施。キュートな外見のテッドが繰り出す“ギャップあり過ぎ”な言動の数々が見どころになっており「最初に出来上がった字幕は、意味を伝えるという点で完璧だったけど、そのままだとジョークなどが分からない場面も。だから、僕がしたのが字幕をダメにする作業だった」と町山氏。監修後の字幕には“クマもん”“ガチャピン”“星一徹”といった日本人に向けた固有名詞も登場し、「オリジナルの英語にふさわしい代案を、自分のツイッターで募った。僕は何もしていない(笑)。アイデアをいただいた皆さんありがとうございます」と舞台裏を明かしていた。

本作の脚本・監督を務めるセス・マクファーレンは、2月24日(現地時間)に開催される第85回アカデミー賞の授賞式で司会を務めることになっており、町山氏も「主題歌賞にノミネートもされているし、絶対授賞式にテッドが登場するはず! 映画を観ていないと、楽しめない」と劇場での鑑賞を強く薦めていた。

『テッド』

取材・文・写真:内田 涼