(左から)林家正蔵、妻夫木聡、吉行和子、山田洋次監督、橋爪功、夏川結衣、西村雅彦

山田洋次監督の監督生活50周年を記念する最新作『東京家族』の初日舞台あいさつが19日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、山田監督をはじめ、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、林家正蔵、妻夫木聡が登壇した。すでに2月7日から17日まで開催される第63回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門への出品が決定しており、さらに同部門14作品の中でも特に注目作として“ベルリナーレ・スペシャル・ガラ”で上映されることが明らかに。欧州最大級のキャパシティ(1750席)と最新機器を備えた劇場での上映という“特別待遇”。本作への期待の高さが証明された形だ。

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また、台湾、香港、シンガポールでの配給が決定し、ドイツ、スイス、フランス、北米、インド、韓国からも配給オファーが舞い込んでおり「とにかくたくさんの人に観てほしい。きっと世界中で同じ家族の物語で作れるんじゃないかな」(山田監督)と世界への飛躍に期待を寄せていた。

名匠・小津安二郎の『東京物語』(1953)へのオマージュとして、現代を舞台に家族の絆を描いた監督生活50周年を記念する本作。2012年5月の東京を舞台に、橋爪と吉行演じる老夫婦が、成長した子どもと会うために瀬戸内海の小島から上京する姿を通して、家族の絆や老い・死についてメッセージを投げかける。

震災の影響で、製作が1年延期されたこともあり、山田監督も「準備から足かけ4年。封切りできるのを心待ちにしていた」と感無量。この日登壇したキャスト陣は、全員が初の“山田組”参加だったが「皆さんが素敵なアンサンブルを奏でてくれた」と絶賛。「最後のクレジットを見て、いい映画に出たなという思いがこみ上げてくる」と語る橋爪をはじめ、「山田監督の作品に出られるのは喜びであり驚き。でもやっぱり緊張しました」(吉行)、「心の底から、いい映画に出させてもらったと思う」(西村)、「緊張と同時に充実した毎日をおくった」(夏川)、「ずっと『いつかは山田監督の作品に出たい』と思っていたので嬉しい」(妻夫木)、「家族を大切にしたいと思える映画」(正蔵)と思い思いに感激を語っていた。

『東京家族』
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