映像媒介通信技術の活用例

富士通研究所は、1月21日、映像を介した通信技術「映像媒介通信技術」を応用して、PC画面をスマートフォンやタブレットで撮影するとPCとスマートフォン/タブレットの間でファイル転送ができる技術を開発したと発表した。

映像媒介通信技術は、人の目には認識できない複数の微小な灯りを映像に重ね合わせ、映像を媒体として携帯端末へ情報を送信する技術。2012年6月に、テレビの映像を介して情報を配信する技術として発表した。

今回のファイル転送技術は、映像媒介通信技術を応用して、PCの画面をスマートフォンで撮影することで、PCで作成したファイルをスマートフォンに転送したり、スマートフォンで撮影した写真をPCに転送したりすることができるもの。

IPアドレスなどのPCの端末固有情報を目に見えないようにPC画面に重ね合わせ、PC画面をスマートフォンのカメラで撮影することでPCのIPアドレス/SSIDを検出し、PCを特定する。その後、自動的にPCとスマートフォン間の通信経路を確立し、PC画面に表示しているファイルをスマートフォンへ転送、もしくはスマートフォンで撮影した映像をPCへ転送する。なお、スマートフォンにはIPアドレスを検出するアプリを、PCにはIPアドレスを画面に表示するアプリを入れておく必要がある。

この技術を利用することで、USBケーブルやWi-FiでPCとスマートフォンを接続することなく、データの転送が簡単にできるようになる。例えば、会議中のプレゼンテーション資料をスクリーンに投影し、複数の人が同時に撮影してプレゼンテーション資料を個々のスマートフォンにダウンロードすることができる。

2月25日にスペイン・バルセロナで開幕する「Mobile World Congress 2013」に出展し、2014年度中の実用化を目指す。