『クラウド アトラス』来日会見の模様

ラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督(『マトリックス』シリーズ)とトム・ティクヴァ監督(『ラン・ローラ・ラン』)が来日し、24日に共同監督を務めた超大作『クラウド アトラス』の記者会見を都内で行った。ウォシャウスキー姉弟監督が来日するのは『マトリックス レボリューションズ』のPR以来10年振り3度目。ティクヴァ監督は『パフューム ある人殺しの物語』のPR以来7年振りに日本の地を踏んだ。

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本作は19世紀の南太平洋、1973年のサンフランシスコ、世界崩壊後の24世紀など時空を超えた6つの世界で繰り広げられる各エピソードが、相互に関連しながら、巨大な人間ドラマを形成。人間ドラマ、SF、アクション、ミステリーなど多様なジャンルを縦横無尽に行き来する意欲作だ。デヴィッド・ミッチェルによる原作は発売当初から映像化不可能と囁かれたが「だからこそ撮りたいと思ったの」(ラナ)、「映像化できない原作なんて、この世には存在しない」(アンディ)、「不可能だと言われるほど、魅了を感じた」(ティクヴァ)と口を揃える。

トム・ハンクス、ハル・ベリー、スーザン・サランドンら豪華キャストが顔を揃え、彼らがみな複数の登場人物を演じる点も、大きな特長であり見どころだ。ラナは「これだけのスターが劇中で、ある時は主役、ある時は脇役を演じるチャンスはなかなかない。皆、役柄のアイデンティティーを追及する作業に、楽しみながらチャレンジしていた」と振り返った。

3人が共同監督を務める形で完成した本編は、上映時間172分という超大作に仕上がり「巨大で哲学的なキャンバスに、自分たちの信念をぶつけた作品。支配、搾取、差別、破壊といったメカニズムを飛び越える挑戦と、その先にある未来を開く扉を描いた」(ラナ)。アンディも「撮り終わったら、作品そのものが自分の人生を反射させる鏡のように感じ取れた。自分が影響を受けたり、培ってきたりしたすべてを投影した集大成になった」と胸を張り、ティクヴァは「僕にとってもこの作品は、祝祭そのものだ。テーマは魂と人間との“つながり”だから、自宅で一人で観たり、ダウンロードしたりせず(笑)、映画館で別のお客さんと一緒に共有しながら、映画が問いかけるつながりを実感してほしい」と熱弁していた。

『クラウド アトラス』
3月15日(金)、全国ロードショー