映画『ゼロ・ダーク・サーティ』に主演したジェシカ・チャステインJonathan Olley(C)2012 CTMG. All rights reserved

『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督作『ゼロ・ダーク・サーティ』に主演した女優ジェシカ・チャステインが大きな注目を集めている。本作で本年度のアカデミー主演女優賞にノミネートされ、先週の全米興収ランキングでは主演作『Mama』と本作が1、2位を獲得。彼女を“ボックスオフィスクイーン”と称するメディアも登場している。

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チャステインは1977年生まれのアメリカ人。ジュリアード学院在学中から舞台で活動を始めた彼女はいくつかの人気TVドラマに出演した後、2011年に巨匠テレンス・マリック監督の大作『ツリー・オブ・ライフ』の主要キャストに抜擢された。ブラッド・ピット演じる厳格な夫のもとで少しずつ追いつめられていく女性を見事に演じた彼女は、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞などにノミネートされた。その後も彼女は『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』や『英雄の証明』など良質な作品でタイプの異なるキャラクターを、アニメーション映画『マダガスカル3』ではサーカス団に所属する愛らしいジャガーのジアの声を演じ、舞台でも活躍を続けている。

そんな彼女が再びオスカー候補になった『ゼロ・ダーク・サーティ』は、アメリカ同時多発テロ事件の首謀者とされるウサマ・ビン・ラディンの居場所を突き止め、追いつめ、殺害するCIAの隠密作戦の真実を描く衝撃作。チャステインは若き分析官のマヤに扮し、対テロ戦争の最前線に身を置く中で少しずつ心をすり減らし、知らぬ間に自身の中に潜んでいた“闇”と向かい合う様を演じている。チャステインが「マヤのような女性は、自分の感情を表には決して出しません。彼女の気持ちが変化していく様や自分を見失う姿を、慎重にゆっくりと演じなければなりませんでした」と語る通り、その演技は壮絶を極めたようだが、ビグロー監督は「ジェシカは真剣さと強烈さを兼ね備えていて、どんな些細なセリフでも、深みとニュアンスを与えることができる」とその演技を賞賛している。

ちなみに『Mama』はギレルモ・デル・トロが製作総指揮を務めたゴースト・ホラーだそうで、幅広いジャンルの作品で演技力を発揮できる柔軟さが、彼女に“ボックスオフィスクイーン”と“オスカー候補”の称号をもたらしているのではないだろうか。

『ゼロ・ダーク・サーティ』
2月15日(金) TOHOシネマズ有楽座ほか全国公開

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